お申し込み
- お申し込みの締め切りは、2025年3月31日23:55です。
- お申込み時点で既に終了している回につきましては、後から配信(録画配信)でご覧ください。
- zoomでのリアルタイム参加を希望される方は、開始時間の1時間前までにはお申込みください。それ以降の直前のお申込みには対応できないことがあります(その場合、後から配信でご覧ください)。
以下のPeatixサイトからお申し込みください。
https://geinou-femizemi.peatix.com/
※2024年度ふぇみ・ゼミU30参加者年間パスポート・寄付者パスポートをお持ちの方は無料
※2024年度ふぇみ・ゼミU30受講生は割引
講座概要
2021年度から始まった、ふぇみ・ゼミ&カフェによる「問い直す」講座。
2021年度は「教育」を、2022年度は「メディア」を、2023年度は「労働」をジェンダーや民主主義の視点から問い直してきました。
4年目となる2024年度は「芸能」を問い直します。ジャニーズの性暴力問題をきっかけに日本の芸能界の様々な問題が露呈し、問題視されています。広告という視覚的なイメージを通して再生産される伝統的なジェンダー観。映画業界に存在するジェンダー格差や人種格差。アイドルの「卒業」制度や「恋愛禁止」などの慣習をフェミニズムの視点からどう考えればよいのか。不安定な労働環境が芸能者にもたらす経済的・肉体的・精神的重圧をどう軽減していけるのか。「文化」と「政治」を切り離そうとする力が大きくなっている今だからこそ、「芸能」をジェンダーと民主主義の視点から政治的に問い直します。
各回テーマ/内容
※基本的に、各回とも19:00-21:00開催です。
※すべての回で、リアルタイム日本語字幕(校正者あり)と後日の録画配信を提供します。
※講座終了後も録画をお申込みいただけます。
第1回:7月24日(水)小林美香さん「ジェンダー目線で読み解く広告とエンタメ産業の構造」
公共空間で掲出される広告は、性別二元論に基づいて設計されている社会のジェンダー観を反映して視覚化して伝達し、再生産する役割を担っています。価値観の多様化が謳われ、旧来的なジェンダー観に根ざした表現が見直されている昨今ですが、ジェンダーとコミュニケーションに結びついてさまざまな問題が顕在化しています。このような問題について、メディア、エンタメ産業・芸能の癒着的な依存構造なども意識しながら考えていきましょう。
第2回:8月14日(水)歌川達人さん「映画業界のカメラの裏にあるジェンダー格差と働き方の相関関係」
映画業界で働く人々のジェンダーや人種に格差があることは、2010年代半ばからハリウッドを中心に世界中で問題視されてきました。その弊害は、性被害、人材不足、作品の多様性欠如などが主に挙げられますが、これらは映画業界に限らず、今の日本社会が抱える課題と共通するように思えます。また、インクルージョンの問題は、働き方の構造的な問題とも直結しています。Japanese Film Projectでは、日本映画業界の制作現場におけるジェンダー格差調査、映画製作現場における労働環境調査、フリーランス新法施行における契約書の問題等に取り組んでいます。現代社会の縮図のような日本の映画業界。その課題を検証し、改善策を考えることで、これからの日本社会を考える一助となれば幸いです。
第3回:10月16日(水)中村香住さん「アイドルとフェミニズム:パーソナリティ消費、SNS労働、24時間『見られ続ける』こと」
アイドルと呼ばれる芸能者について、ポストフェミニズム論/第三波フェミニズムの視点から検討し、「卒業」制度や「恋愛禁止」などアイドル業界における因習についてもフェミニズムの観点から分析を行う。その上で、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』(香月孝史・上岡磨奈・中村香住編著、青土社、2022年)の各章で触れられているトピックや論点、例えばコンセプト化した「ガールクラッシュ」やパーソナリティ消費について、議論を紹介しつつ、受講生とともに葛藤しながら考えたい。
第4回:11月20日(水)松永伸太朗さん「アニメ文化と制作現場の労働:分業・キャリア・生活の観点から」
アニメ作品は誰もが気軽に鑑賞できる文化的な商品ですが、近年はその制作現場における労働問題にも注目が集まってきました。しかし、アニメ産業の労働問題を適切に問うためには、産業に固有の分業体制・キャリアパス・働く人々の生活をよく理解する必要があります。アニメ産業での労働調査を10年間行ってきた研究者としてジェンダーの問題も含めたアニメ産業のあり方を素描し、ファンや消費者にも何が求められるのかを考えます。
第5回:12月14日(土)張瑋容さん「アイドルへの愛着にみる台湾人「哈日族」の「<日本>をめぐるファンタジー」
台湾では、90年代後半に「哈(ハー)日(リー)現象」と呼ばれる日本のポップカルチャーの積極的な受容と消費が起き、その当事者である「哈日族」とともに研究者の注目を集めていた。多くの「哈日族」が日本のアイドルを愛でるのは単なる日本の芸能に興味があるだけでなく、世代を超えた「<日本>への愛着」を醸成した社会背景と関連すると考える。「哈日族」たちは日本のアイドルを通して何を見ているのか。本講座はファンとアイドル、台湾と<日本>の関係性から、哈日族のアイドルへの眼差しを解いていく。
第6回:1月15日(水)上岡磨奈さん「アイドルという仕事を問い直す」
主にアイドルという肩書きで呼ばれる芸能者について、その活動内容、活動環境を含めた生活実態および労働実態を明らかにすることで、これまで日本の芸能界で当たり前とされてきた芸能者への経済的、肉体的および精神的重圧の問題を再検討する。アイドルとして生きていく上での生活および活動の不安定さおよびその背景にあるアイドルとしての生活をマネジメントする複雑さや、芸能活動における権力構造に目を向ける。
第7回:2月11日(火)田中東子さん「文化と政治――エンターテインメント産業を民主主義の観点から問い直す」
ジャニーズ事務所の元社長による未成年も含むタレントへの性加害の問題に端を発して、芸能界やエンターテインメント産業における性暴力やセクハラ、法律を無視する劣悪な労働環境に多くの目が向けられるようになってきた。しかし、「文化的なことと政治の問題を混ぜるな」というような、文化と政治を切断しようとする力学がそこには常に入り込み、また芸能という特殊な領域であるといった切り分けによって、民主的で健全な労働環境を整えようとする試みはしばしば妨げられることになる。この講座では、かつてよりも影響力を増した文化やエンタメの領域で政治の問題を問うことがいかに重要であるのかをみなさんと考えていく。文化と政治について考える際に「フェミニズム」の思想がその中心にあることは言う必要がないほど自明のことである。
第8回:スペシャル・ゲスト
※後日掲載予定
講師プロフィール
第1回
小林美香(こばやし・みか)さん
国内外の各種学校/機関、企業で写真やジェンダー表象に関するレクチャー、ワークショップ、研修講座、展覧会を企画、雑誌やウェブメディアに寄稿するなど執筆や翻訳に取り組む。近著に『ジェンダー目線の広告観察』(現代書館 2023)現在、アメリカの漫画家マイア・コベイブ(Maia Kobabe)の『ジェンダー・クィア』の日本語版出版を準備中(2024年夏刊行予定)。
第2回
歌川達人(うたがわ・たつひと)さん
大学卒業後、フリーランスとしてNHK番組やCM、映画の現場で働く。監督した映像作品は、ロッテルダム国際映画祭2020、Japan Cuts 2020などで上映。映像業界の当事者として、働く環境に疑問を感じ、調査等を始める。トヨタ財団2021年研究助成プログラムに採択され、映画業界のジェンダー格差と労働実態に関する調査を行う。
第3回
中村香住(なかむら・かすみ)さん
神奈川大学人間科学部非常勤助手。専門は文化社会学、ジェンダー・セクシュアリティ研究。第三波フェミニズムの観点から日本のポピュラーカルチャーについて研究をおこなうかたわら、レズビアン当事者として“恋愛至上主義にノれないセクシュアルマイノリティ”の居場所作りにも取り組む。 Twitter:@rero70
第4回
松永伸太朗(まつなが・しんたろう)さん
長野大学企業情報学部准教授。労働社会学・ワークプレイス研究を専門とし、フリーランサーの持続可能な働き方・キャリア形成・マネジメントのあり方をテーマとして社会学的な研究を行ってきた。主著に『アニメーターはどう働いているのか:集まって働くフリーランサーたちの労働社会学』(2020年、ナカニシヤ出版)など。
第5回
張瑋容(ちょう・いよう)さん
台湾出身。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科ジェンダー学際研究専攻博士後期課程修了。同志社女子大学現代社会学部社会システム学科准教授。専門はジェンダー、社会学、ポップカルチャー。主要研究業績に張瑋容,2020,『記号化される日本―台湾における哈日現象の系譜と現在―』ゆまに書房、張瑋容,2023,「身体を語る、身体が語る:男性キャラクターの身体描写にみる『BLファンタジーの存在論』『学術研究年報』74: 1-11。
第6回
上岡磨奈(かみおか・まな)さん
東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。主な関心はアイドルを中心とした芸能者の生活とキャリア、海外のアイドルシーンとそのファンダム。著書に『アイドル・コード -託されるイメージを問う- 』、編著に『アイドルについて葛藤しながら考えてみた ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』など。
第7回
田中東子(たなか・とうこ)さん
専門分野はメディア文化論、ジェンダー研究、カルチュラル・スタディーズ。1972年横浜市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科後期博士課程単位取得退学後、早稲田大学教育学部助手および助教、十文字学園女子大学准教授、大妻女子大学文学部教授を経て、現職。第三波以降のフェミニズムやポピュラー・フェミニズムの観点から、メディア文化における女性たちの実践について調査と研究を進めている。著書は、『メディア文化とジェンダーの政治学-第三波フェミニズムの視点から』(世界思想社、2012年)、『出来事から学ぶカルチュラル・スタディーズ』(共編著、ナカニシヤ出版、2017年)、『私たちの「戦う姫、働く少女」』(共著、堀之内出版、2019年)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(編著、北樹出版、2021年)、翻訳に『日本のヒップホップ―文化グローバリゼーションの〈現場〉』(イアン・コンドリー著、共訳、NTT出版、2010年)、『ユニオンジャックに黒はない――人種と国民をめぐる文化政治』(ポール・ギルロイ著、共訳、月曜社、2017年)、など
開催方法
・会場にお越しいただく現地参加か、zoomでのオンライン参加よりお選びいただけます。
※ 対面会場については、感染拡大の状況などにより変更の可能性があります。各開催日1週間前をめどに会場参加のご希望を伺いますので、直前のお知らせをお待ちください。
・会場:一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ事務所
・zoomURLは、講座当日のイベント開始1時間前を目安にお送りいたします。
参加費
お申し込みはこちら https://geinou-femizemi.peatix.com
一回券
一般 1,980円(税込)
2024年度寄付者〈1万円以上〉・学生 1,650円(税込)
2024年度ふぇみ・ゼミU30受講生 1,100円(税込)
全回通し券(全8回)
一般 13,200円(税込)
2024年度寄付者〈1万円以上〉・学生 10,560円(税込)
*2024年度ふぇみ・ゼミU30参加者年間パスポート・寄付者パスポートをお持ちの方は無料で受講できます
※2024年度ふぇみ・ゼミU30受講生は割引、ふぇみ・ゼミU30参加者年間パスポート所持者は無料になります。これを機にU30への参加をご検討ください。ふぇみ・ゼミU30の情報についてはこちら(https://2024femizemiu30.peatix.com/)をご覧ください。
お問い合わせ
ふぇみ・ゼミ&カフェ事務所
〒115-0044 東京都北区赤羽南2丁目4−7 鷹匠ハイツ403
メール:femizemi2017@gmail.com
HPアドレス https://femizemi.org/
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