お申し込み

2024年3月31日(日)23:55までお申し込み可能です。あとから配信もあります。

以下のpeatixサイトからお申し込みください。

https://eastasianmovie.peatix.com/view

講座概要

映画はいつも、社会の「本音」を映してきた。
ヒットする映画には作り手の意図と同時に、観客の求める欲望が映し出されている。
本講座では、韓国のアカデミー賞作品・『パラサイト 半地下の家族』、実はヨーロッパなど海外に多く輸出されている朝鮮(DPRK)のアニメーション、近年注目を集める台湾のLGBTQ映画とホラー映画、中国でドキュメンタリー映画の興行記録を塗り替えた『二十二』、香港でロングラン上映となった、実際に起きた介護施設の性暴力事件をとりあげた『白日の下』(予定)など旬の映画をとりあげ、そこに映し出された現在の社会を解説する。
――『パラサイト 半地下の家族』に見える南北分断の影とは?
――LGBTQフレンドリーでジェンダー平等なはずの台湾の、ホラー映画に現れる恐怖とは?
――政治的抑圧が強まるといわれる香港で、社会的な関心は今どこに向かっているのか?
など、映画を切り口として、まさに現在起きている変化と共に、その背景となる歴史や社会構造も知ることができる。
映画を見たことがある人はより理解が深まり、見たことがない人はこれから映画を見るために役立つ講座である。

*このイベントは、ふぇみ・ゼミU30年間パスポートの対象です。年間パスポートをお持ちの方は、追加料金なしで受講できます。

プログラムの日程・内容・開催方法

【第1回】1月30日(火)19:00-21:00(ハイブリッド開催)

梁・永山聡子さん「韓国映画『パラサイト:半地下の家族』は何を問いかけたのか?ー南北分断がもたらすいびつな社会階層の誕生ー」

 『パラサイト 半地下の家族』(原題:기생충(寄生蟲)英語表記 Parasite)は、1955年以来、アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を受賞し世界中の映画賞を受賞。全世界興行収入は2億ドル(約230億円)を超えた。日本でも、韓国エンターテイメント関連、映画専門誌だけでなく、様々なメディアで取り上げられ、地上波のテレビニュースでも数多く特集され、興行収入45億円・330万人以上が観覧。2023年には、日本の90年代の関西に舞台を移し、演劇作品となり上映後も話題に上がる作品である。
 主な評価は「世界トップクラスの格差社会・韓国の内実をコミカルに描いた」「世界中にある普遍的な階級問題を上手く描いた」「痛快な貧困層の逆襲」。しかし、この映画は登場人物の設定、多くのメタファーに「朝鮮戦争と休戦」「南北分断の影響」「南北統一とは?」など継続している冷戦構造ー朝鮮半島の南北分断が散りばめられているが、指摘する論も多いとは言えない。本講座ではそこを中心に論点を整理していきたい。(興行収入は2020年時点)

〇事前に映画を見たい方へ
・netflix:https://www.netflix.com/jp/title/81221938
・Amazonプライムhttps://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0897QF56R/ref=atv_dp_share_cu_r
・DVDが発売されています。

【第2回】2月29日(木)19:00-21:00(ハイブリッド開催)

金真美さん「朝鮮(DPRK)アニメーションの肯定的価値と対立的空間が意味するもの」

 朝鮮(DPRK)では国営の朝鮮中央テレビにおいて毎日「子どもの放送時間」というコーナーが設けられており、20~25分程の「児童映画」が放映されている。その高いアニメーション技術が認められ、80年代からは海外にも輸出がはじまり外国合作作品も多数ある。今回は国内で爆発的人気を誇るシリーズアニメを通して、朝鮮が帝国主義文化に対峙する独自の社会主義文化としての独自のアイコンをどのように生産してきたのかを考察してみたい。

【第3回】3月17日(日)17:00-19:00(ハイブリッド開催)

赤松美和子さん「台湾LGBTQ映画からホラー映画まで―ジェンダー平等?バックラッシュ?」

 台湾において同性婚法制化の前年に行われた国民投票で、同性婚への否定的な票が過半数を超えたのはなぜか。LGBTQ映画を分析対象とし、 1980-90 年代(『ウェディング・バンケット』等)、2000 年代(『藍色夏恋』等)、2010 年代(『GF*BF』等)における子どもと家族に関する表象の変遷を読み解く。『紅い服の少女』『呪詛』などホラー映画における母と家族についても考察する。この30年間、台湾映画が描いてきたのはジェンダー平等か、それともバックラッシュか。

【第4回】4月14(日)18:00-20:00(ハイブリッド開催)

熱田敬子さん「”健気な被害者”を見たいのは誰ー映画『二十二』は中国の日本軍戦時性暴力の何を描かなかったか」

 2017年に中国で劇場公開された『二十二』(監督・郭柯)は、撮影当時存命中の、中国に居住し、名乗り出た日本軍性暴力被害者22人を取材したドキュメンタリー映画である。歴史的な背景を語らず、被害者の日常にフォーカスしたこの映画は、中国政府の「愛国」主義と一線を隔すと受けとめられ、ドキュメンタリー映画の興行収入を塗り替える大ヒットとなり、映画祭などで鑑賞した日本や韓国の一部の観客からも高い評価を受けた。そこにあるのは、監督の言葉を借りれば、「歴史の証人」ではない、「素朴」で「普通」の老人としての被害者の姿だった。
 しかし、旧日本軍の戦時性暴力を訴えてきた被害者たちは、実際には激しい「怒り」を持ち、日本政府の責任追及の先頭に立ってきた。映画『二十二』は被害者の怒りを削ぎ落し、中国内外の観客が求める被害者像を見せたのである。
 『二十二』のヒットが問いかけるのは、被害国でも長らく排除、差別の対象となって来た戦時性暴力被害の訴えを、一面的な理解で「愛国」と同一視する「リベラル」な観客の問題であり、かわいそうで健気な被害者を観たい観客の保護主義的欲望である。このような点から見れば、中国社会と日本社会は驚くほど共通性がある。
 本講座では、中国の社会背景、日本軍戦時性暴力被害者の運動について解説しつつ、被害者を弱者として描くことの問題性について考えたい。

【第5回】5月12日(日)18:00-20:00(オンライン開催)

オフィーリアさん「新しい香港映画:外国人労働者から調査報道記者まで女性記録者への注目が明らかにする社会の下層と深層- 「白日之下」(2023)と「淪落の人」(2020) -」

 近年、香港では社会問題を取りあげる映画のニューウェーブが起きている。今回取り上げるのは、女性の記録者を主役として、高齢者ケアの社会的現実を温かく、あるいは残酷に映し出す2つの映画である。
 2018年に上映された『淪落の人』は、フィリピン人家事労働者のカメラマンが賞を取った実話をもとに、外国人ケア労働者と労災により半身不随となった雇い主が互いの存在によって救われる過程を描いている。その5年後の『白日之下』は、仕事に停滞を感じている女性の調査報道記者の目で、老人ホームでの虐待と性暴力のスキャンダルを取りあげる。
 これらの映画の中で、ケアを必要とする高齢者が直面する社会の現実や、外国人労働者/調査報道記者という女性主人公の姿は、正確に描かれていると言えるだろうか?本講座では、香港でエスニックマイノリティを長年取材してきた、元調査報道記者が解説する。

*全回とも、日本語字幕を提供します。

講師プロフィール

第1回 梁・永山聡子さん

 ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、成城大学グローカル研究センター客員研究員。近年は韓国フェミニズムと社会変動を研究:「なぜ韓国社会は戸主制/戸籍制度を廃止したのかー被植民地秩序、家父長制解体をめざす市民の連帯から学ぶ」反差別国際運動(IMADR) 編『戸籍기생충』(部落解放出版、2023年)、韓国エンターテイメントとフェミニズムの関係を研究:「ドラマ作品がフェミニズム化するとき」『ハッシュタグだけじゃ始まらないー東アジアのフェミニズム・ムーブメント』(大月書店 2022)

第2回 金真美さん 

 朝鮮大学校文学歴史学部准教授。2010年、金日成綜合大学文学大学実習過程修了、朝鮮作家同盟中央委員会候補盟員登録。2015年、朝鮮民主主義人民共和国文学碩士。論文に「朝鮮映画にみる『家庭革命化』政策の展開―シリーズ映画『わが家の問題』を中心に―」(日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)「文化としての社会主義:北東アジアとDPRK」2021年)、『Changes in Womens Policies of the Democratic Peoples Republic of Korea and Images of Women as Reflected in Popular Music』(「S/N KOREAN HUMANITIES」Volume8 Issue1、2022年)など

第3回 赤松美和子さん

 大妻女子大学比較文化学部教授。日本台湾教育支援研究者ネットワーク(SNET台湾)発起人。2008年、お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了、博士(人文科学)。2022年、お茶の水女子大学賞第6回小泉郁子賞受賞。主要著作に赤松美和子・若松大祐編『台湾を知るための72章』(明石書店、2022年)、『台湾文学と文学キャンプ』(東方書店、2012年)など。

第4回 熱田敬子さん

 ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、ジェンダー、社会学研究、北京語翻訳通訳。研究テーマは人工妊娠中絶の体験談の聞き取り、日本軍戦時性暴力被害者の名誉回復運動、東アジアのフェミニズム運動、質的調査法など。共著に『ハッシュタグだけじゃ始まらない:東アジアのフェミニズム・ムーブメント』(編著者:熱田敬子、金美珍、永山聡子、張瑋容、曹曉彤、大月書店、2022)他。

第5回 オフィーリアさん

 香港の元記者。テーマ報道、調査報道を担当し、香港のデモ運動、難民、入管、人身売買、エスニックマイノリティの人権問題などを取りあげてきた。人権新聞賞を多数獲得し、アジア出版協会の人権報道大賞も受賞した。

参加費

1回券・・・・・・・
・一般 1,800円
 ・学生・2023年度ふぇみ・ゼミ寄付者(年間1万円以上)1,500円
 ・U30受講生(2023年度、2024年度)1,000円
 

全回通し券・・・・・・
 ・一般 8,600円
 ・学生・2023年度ふぇみ・ゼミ寄付者(年間1万円以上)7,200円
 ・U30受講生(2023年度、2024年度)
 U30年間パスポートをご購入いただければ通し券扱いとなります。
 ふぇみ・ゼミパスポート保持者は無料。この連続講座のみ2023年度と2024年度にまたがりますので、両方のパスポート対象です。
※ふぇみ・ゼミU30の情報についてはこちら(2023femizemiu30.peatix.com)

お問い合わせ

ふぇみ・ゼミ事務所:〒115-0044 北区赤羽南2丁目4-7 鷹匠ハイツ403号室
メール:femizemi2017@gmail.com
HPアドレス: https://femizemi.org/
申し込みサイト: https://peatix.com/group/7235540
寄付サイトSyncable: https://syncable.biz/associate/femizemi/
Facebook:https://www.facebook.com/ femiseminar/
Twitter:@adminfemizemi
Instagram:@femizemi