ふぇみ・ゼミは、2017年、受講者を若い世代に限定したフェミニズム自主講座の開催からはじまりました。現在では若い世代向けの講座に加えて、全年齢向けのフェミニズム講座、調査研究なども実施しています。その際に常に大事にしているのが、インターセクショナリティの視点(差別の交差性;複数の差別の重なりや交わりを見る視点)を取り入れることです。

 私たちの社会には、ジェンダーをはじめ、人種、民族、国籍、階級、障害、性的指向、性自認などについて、歴史的、社会的に作られた様々な差別があります。これらの差別はバラバラに存在するのではなく、互いに交差しあい、結びついています。この差別の「交差点」では、他では起き得ないような出来事や、ねじれた差別が起き得ます。

インターセクショナリティの概念を使うと、この絡みあった差別を社会構造の問題として考えられるようになります。ふぇみ・ゼミはインターセクショナリティをフェミニズムにとって不可欠の認識とし、差別のない社会を実現するための教育、調査、研究、文化活動、社会運動をおこなっています。

 差別の解消を目指す時、私たちの活動そのものもも、排除の実践となっていないかどうか問い直さなければなりません。その試みの一つとして、ふぇみ・ゼミは動画の配信や、講座へのリアルタイム字幕付与などにより、障壁を解消する努力を行っています。さらに、経験や方法論の共有、開かれた自主ゼミナールの開催を通じ、ジェンダー・フェミニズムの知を大学などの制度的枠組みの中にとどめず、社会を分析し、変革を起こすための実践のツールとして、共有する場を作って行きます。

 ふぇみ・ゼミのミッション

  1. 差別に対抗する実践的な経験から生まれたジェンダー・スタディーズを、若い世代が学べる場をつくること。
  2. (年齢を問わず)ジェンダーやフェミニズムに触れる機会の少ない人たちが参加可能な、開かれた学びの場をつくること。
  3. インターセクショナリティ(差別の交差性;複数の差別の重なりや交わりを見る)の視点を取り入れ、フェミニズムを変革すること。
  4. 差別のない社会を実現するために教育、調査、研究、文化活動、社会運動を行うこと。
  5. 差別のない社会を実現するための人材を育成すること。

ふぇみ・ゼミの活動内容

  1. 若い世代を対象とする年齢制限を設けた、通年ジェンダー・ゼミナール(ふぇみ・ゼミ U30)の実施・運営
  2. ジェンダーや差別の構造についての、年齢を限定しない講座の実施・運営
  3. メディアを通じたインターセクショナル・フェミニズムの発信
  4. 差別に関する調査・提言活動
  5. 社会運動の方法や技術の幅広い共有と、人材の育成

講座スケジュール