【感想】フィールドワーク「いま、知るべき部落のお仕事のことー差別との闘いとともに」#2024年U30
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この度、ふぇみ・ゼミU30フィールドワーク「いま、知るべき部落のお仕事のこと―差別との闘いとともに」に参加させていただきました、受講生の木原です。
今回の講座では、部落史を学び、部落とされていた地域を歩くことで、その地に深く結び付いてきた差別の歴史や、差別の中で生きてきた人々の暮らしを感じることができました。加えて、部落の方々が受けてきた職業差別についても、皮革産業や日雇い労働、ごみ清掃の話を通じて学ぶことができました。
これらの差別に共通しているのは、皮革産業や清掃の仕事が、人々の暮らしに必要とされながらも「ケガレ」として特定の人々に押し付けられ、それを元に差別が強化されていくという点でした。都市で暮らす人々がケガレを排除するため、都市の外部へと特定の職業や土地を押しやり、穢多や非人といった身分に基づくシステマチックな差別が生まれました。身分制度が無くなった今でも差別は依然として残っており、それは土地と結び付いた部落差別や職業差別として人々の生活を脅かしています。
とはいえ、差別を受けてきた人々が黙って過ごしてきたわけではないということも学びました。部落における皮革産業や差別撤廃運動の歴史を学んだり、ごみ清掃のお仕事に従事してきた押田さんのお話を伺ったりすることで、差別と闘うことの大切さにも気付くことができました。
部落においては、「醜名除去」運動や自由民権運動、また明治に何の補償もなく皮革の専売権を取り上げられてしまった被差別民衆が、その後も金銭的に安定した生活を送れるようにするため、被差別民衆のリーダーである弾左衛門が近代化を推進し、設備や教育の機会を整えることで自立運動を行ってきたことを知りました。
また、清掃業においても、清掃車の後部ステップに乗って移動するなどの危険行為をやめるよう同業者に安全作業の啓蒙を行いつつ、清掃車メーカーと安全な車の開発を行ったり、自治体の人員削減や民間委託の流れと闘ったり、様々な活動を通して社会への働きかけを行ってきたことを学びました。
これらの事例を通して、差別と闘うためには以下のポイントがあると学びました。まず、生活や安全を保証されないまま賃金の安い仕事や危険な仕事を押し付けられているという差別の仕組みを正しく把握すること。そして、その仕組みをコミュニティ内で共有することが、差別を受けた人々が泣き寝入りしないため、また有効な対策を内外に向けて打ち出し、変革を起こすための組織づくりにおいても、非常に重要だと考えます。
さらに、自分たちの仕事に誇りを持つことや、他者の仕事についてよく知り、敬意を払うことも大切です。押田さんがおっしゃっていた「この世に要らない仕事なんてない」という言葉が非常に心に残りました。自分も、自分と同じ仕事をしている仲間も、そして異なる仕事をしている人々も、皆変わらず世界を良くするために働いており、敬意をもって相手を良く知ることこそが、差別に対する当事者性を高め、分断をなくし、差別を許さない社会をつくるために、個々人が実践すべきことだと感じます。
私もこれから、様々な職業について良く学び、差別問題に正しく取り組める人になりたいと思います。
ふぇみ・ゼミ受講生 木原健太
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