【感想】蓑輪明子さん講座#2022年U30第1回

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ふぇみ・ゼミスタッフのTです。

5月25日(水)U30の第一回は、講師に蓑輪明子さんをお招きし、「働く場におけるジェンダー平等の条件」をテーマにお話しいただきました。労働のなかでの女性差別については耳にすることが少なくないですが、それがコロナ禍ではどのように影響していたのか私は詳しくは知りませんでした。とてもタイムリーな話を聞けてたくさんの気づきがありました。

はじめに「コロナショック」の特徴について解説がありました。とある労働者の支援団体には、普段は男性が相談に来ることが多いそうですが、コロナ禍では非正規雇用の女性からの相談がとても多かったそうです。「女性不況」という言葉が使われるくらいに影響が出ていて、急な雇止めの事例や、飲食店業務で急にシフトカットされて月収が激減する事例についての紹介もありました。また学校施設の突然の休校も大問題でした。子どもの世話をしていると濃厚接触も増えますし、時には仕事を休まざるをえません。非正規労働者は、ただでさえ賃金が低くて生活が苦しいのに、休業中の保障も乏しい状況です。休校のしわ寄せは特に非正規労働者のところに来てしまいます。政策を立案した政治家たちは、誰が子どものケアをして、誰に負担が集中しているのか、全然見えていないと思います。

ドイツの事例は印象的でした。なんでも看護休暇などがあたりまえのように法的権利として保障されているそうです。労働者は仕事よりも家族のケアを優先することが法律上でも許されているとか。減収保障も充実していて、例えば休校などで子どもの保育が必要になり、しばらく働くことができなくなっても、一定期間は減収額の3分の2を保障してもらえるそうです。日本とドイツを比べると、日本ではそもそもの権利がきちんと確立されていないことが分かりました。

コロナ禍の現状分析から見えてきたのは、日本社会の労働現場のさまざまなひずみでした。その一つは非正規雇用の問題です。いまや非正規雇用は労働者の4割を占めていて、女性労働者については6割が非正規雇用だそうです。雇用は不安定で、さまざまな保障が受けづらく、離職率も高くて問題だらけです。また女性労働者が多くを占めている、宿泊飲食系や医療福祉系では、低賃金や長時間労働がたいへん深刻だという解説がありました。ちなみに医療労働者の7割は女性だそうです。それから人員不足や長時間労働によって「エッセンシャルワーカー」の負担が高まり、サービスが提供できなくなると、今度は家庭内でのケアの役割が増えてしまいます。女性は一般に、収入や貯蓄が少なく、不安的な仕事に就いているため、男性よりも経済的ショックを吸収する余裕がないことがよく分かりました。

このような悪循環から抜け出すには、ケアというものを社会全体で支える仕組みをつくることが大切とのことです。つまり、ケアを重視する社会へ転換するということ。そのためにはケア労働者を公的にサポートすることも大切ですが、それとともに、無償のケア労働の存在をきちんと認識していくことも大事だという話がありました。社会全体のあり方を変えていく必要があります。

蓑輪さんの講座を聞いて、コロナ禍によるさまざまなしわ寄せが、どれだけ非正規の女性労働者に集中していたのか気づかされました。またこれからの社会の展望や、労働運動などの具体的実践についても学ぶことができました。ジェンダーの視点をもった労働運動を組織していく方法をもっと考えていきたいです。

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