【感想】労働を問い直すージェンダーと民主主義の視点から 第6回「大阪・釜ヶ崎、クィア、そしてパフォーマンス労働について」 スタッフ感想
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皆さん、こんにちは。ふぇみ・ゼミスタッフの雁屋優です。今日は「労働を問い直す」講座の第6回、ほんまなほさんによる「大阪・釜ヶ崎、クィア、そしてパフォーマンス労働について」の感想をお伝えしていきます。
突然ですが、皆さんは「労働を問い直す」講座で釜ヶ崎と聞いて何かピンとくるものはあったでしょうか。大阪の土地勘がなくても、釜ヶ崎の名前を知っている人もいるかもしれません。私もその一人でした。
釜ヶ崎は古くからクィアとも深く関わりのある街
日雇い労働者の街というイメージはあるものの、クィアに関わりのある私でさえも、釜ヶ崎とクィアと言われると少し混乱してしまいました。関西方面の土地勘がないので、無理のないことなのかもしれませんが、東京で語られるセクシュアルマイノリティの歴史から釜ヶ崎の話が排除されている可能性も否めません。
ほんまなほさんによると、釜ヶ崎は戦前から単身の男性ばかりの日雇い労働者の街として存在し、終戦やバブル崩壊を経て、現在は生活保護を受給しながら暮らすかつての日雇い労働者や海外ルーツの方、独身男性など、多様な人々のいる街なのだそうです。
九州や沖縄、朝鮮半島など出身地は様々、故郷を出た理由もそれぞれの日雇い労働者達の集う釜ヶ崎には、古くから「オカマ」と呼ばれる人達も生活しており、当時の釜ヶ崎の雑誌にも証拠を見ることができます。当時の「オカマ」とは今よりもっと広い意味で使われており、今で言うトランスジェンダーやゲイ、異性装者なども含まれていました。
支援や福祉だけでは語りきれない釜ヶ崎
釜ヶ崎ではその年に亡くなった人を追悼する盆踊りや、街の人がなりたい姿に扮してパフォーマンスを行うイベントが行われています。街の人がほんまさんの三線とともに歌っている映像は印象深いものでした。
かつての日雇い労働者の街、そして福祉や支援の街として語られることも多い釜ヶ崎ですが、「支援や福祉の言葉では括れないものがある」とほんまさんは話していました。
困難の解消と聞いて、真っ先に経済的支援を思い浮かべる私ですが、たとえ生活保護を受給して経済的には困らなくなっても(生活保護の不十分さは今なお解消されてはいませんが。)、それのみで生きていける人ばかりではありません。
盆踊りをはじめとした釜ヶ崎のイベントは、そしてそういったイベントが生み出す役割や労働は、どのように街の人々の暮らしやあり方に関わっているのか。それをこの講義で垣間見ることができます。講義の後には釜ヶ崎から連想するものが変わっているのではないかと思いました。
こちらの講座は後から配信もありますので、ぜひこちらからお申し込みください。
気になる回だけの受講も、全回通しての受講も可能です。
「労働を問い直す」シリーズの第7回は、1月26日にヨジンさんによる、「『公益活動家』の持続可能性と尊重のための安全網づくり〜同行(トンヘン)の活動を中心に〜」を予定しています。支援に限らず様々な活動を持続可能なものにしていくための韓国での実践や課題を伺います。ぜひご参加ください。
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■この記事を書いた人
雁屋 優(かりや ゆう)
ライター/サイエンスコミュニケーター(2023年度北海道大学CoSTEP受講生)。2015年に指定難病となったアルビノ(眼皮膚白皮症)当事者。難病や希少疾患の人々の自己決定を支える情報が圧倒的に足りていないことに問題意識があり、現状を変えるべく文筆業をしている。明石書店のwebマガジン、webあかしで「マイノリティの「つながらない権利」」、現代書館noteにて「マイノリティのハローワーク」連載中。