故岡正治氏による性加害事実の公表を受けての声明文

 ふぇみ・ゼミ&カフェは、加害者の属性・思想・ジェンダー・セクシュアリティなどにかかわらずあらゆる性暴力加害を許さない、被害者の属性・思想・ジェンダー・セクシュアリティなどにかかわらずあらゆる性暴力被害者を支援する、という立場に立ちます。この立場から、故岡正治氏による性暴力加害についても、以下のように考えます。

 2023年9月17日、ふぇみ・ゼミ&カフェが共催団体として関わった国際シンポジウム「レイシズムを記憶する意義 ―関東大震災虐殺ミュージアムを設立するために―」(主催は、1923関東大震災朝鮮人大虐殺を記憶する行動)に、岡まさはる記念長崎平和資料館の理事が登壇しました。

 当該シンポジウムにおいて、ふぇみ・ゼミ&カフェは、直接登壇者を選出する立場にはありませんでした。しかし、共催を依頼された際、インターセクショナリティを重視するふぇみ・ゼミ&カフェにとって、日本のレイシズムの象徴的な出来事である「関東大震災の大虐殺」を記憶する活動は重要であると判断し、ふぇみ・ゼミ&カフェにおいても事前学習を重ねた上で、シンポジウムを共催するに至りました。また、運営面でも、登壇者のジェンダーバランス、運営スタッフへの有給化などを提案し、共催団体として一定の役割と責任を担いました。

 シンポジウム終了後の2023年10月11日、岡まさはる記念長崎平和資料館は記者会見を開き、資料館の名前となっている故岡正治氏の性加害事実を知っていたにもかかわらず公表に時間がかかったこと、その理由として運営側のジェンダーバイアスがあったことを認め謝罪をしました。この一連の出来事に対して私たちは、フェミニズム・ジェンダー平等を目指す運動・研究を行っている団体として、人権活動家だからといって、その人が行った性暴力加害を許してはならず、大変憂慮すべきことであると考えます。

 ふぇみ・ゼミ&カフェの運営委員は、日本軍性暴力、優生保護法下で行われた強制不妊化手術、ホモフォビアやトランスフォビアにもとづく暴力など、暴力に関わる問題全般に、個人としてもふぇみ・ゼミ&カフェとしても取り組んでいます。さらに、現在「ポスト#MeTooの反性暴力運動―組織・運動・社会」(https://postmetoo.peatix.com)を開催し、反性暴力運動を展開しています。そこでは、人権活動家による性暴力問題に対しても問題提起を行っています。こうした活動内容に即し、故岡正治氏による性加害の問題についても、これを放置せず、事実解明を要求するとともに、被害者への支援を行っていきます。

2023年11月15日

ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員一同

参考

追記(2024年2月7日)

その後、本声明文に対し、長崎人権平和資料館(旧名称:岡まさはる記念長崎平和資料館)より、真摯な応答をいただきました。下記ページでも報告いたしましたので、ご覧ください。

長崎人権平和資料館(旧岡まさはる記念長崎平和資料館)理事会から応答がありました | ふぇみ・ゼミ (femizemi.org)

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