【感想】労働を問い直すージェンダーと民主主義の視点から 第1回竹信三恵子さん「女性を軸にした労働改革が社会を救う」

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ふぇみ・ゼミスタッフの雁屋優です。

ジェンダーや民主主義の視点から「労働」を問い直す講座の第1回は、竹信三恵子さんによる、「女性を軸にした労働改革が社会を救う」でした。

ふぇみ・ゼミでアルバイトのスタッフとして雇用されているものの、基本はフリーランスのライターをしている私にとって、「労働」は少しだけ遠くにあります。

「フリーランス保護新法」の話題も出ている現在ですが、フリーランス(個人事業主)は法律上、労働者ではないとされ、労働法も適用されません。

しかし、講座を受けて、「フリーランスの自分にとっても労働運動は無関係ではない」と気づきました。

「賃金の上がらない国」日本のからくり

日本の賃金は相対的に他の先進国よりも低く、25歳の単身者が人間らしく暮らすためには全国どこでも最低賃金が1,500円必要である(参照:全労連の最低生計費資産調査)と言われているにもかかわらず、最低賃金は1,500円を大きく下回っています。

このように最低賃金が上がらず、結果的に正社員の賃金も上がらない30年を作り出してしまったのには、女性差別的な労働政策が関係していると竹信さんは言います。

「何で女性なの? 労働は誰しもするものでしょう?」と疑問に思う方もいるでしょう。

実は労働から徹底的に女性を排除し、差別し、男性なしでは生きていけないようにすることで、男性にも一家を養えるだけ稼がねばならないとするしわ寄せが来ているのです。

この状況は、男性との結婚を経済的に強いられているのに近く、どこまでも規範に押しこめようとするこの国の構造に、憤りを覚えました。

この国での労働に、希望はあるのか?

女性を差別的に取り扱い、障害者など他のマイノリティも当然差別する労働政策はどのように生み出され、維持され、今日に至っているのかを竹信さんが丁寧に講義してくださいました。

「こんなことをしている国で、働くことに、生きていくことに、希望なんてあるのだろうか」と鬱々とした気持ちが心を占めましたが、闘う手段が潰えたわけではありません。

今を生きていくために、そして搾取されることに慣れてしまわないために、賃金の上がらない国のからくりを知り、どのように抵抗していけるのかを考えることのできる価値ある時間になると思います。

そして、この講座の受講をきっかけにご自身の労働環境についても見直せるので、行動のきっかけとなるかもしれません。

私はフリーランスであることに後悔はありませんが、その不安定さの作られ方には全力で抵抗していくつもりです。

竹信さんのお話を聞いて、より強くそう思いました。

こちらの講座は後から配信もありますので、ぜひお申し込みください。

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気になる回だけの受講も、全回通しての受講も可能です。

「労働を問い直す」シリーズの第2回は、ロンドンで助産師をされているおざわじゅんこさんの「イギリスの看護師職員団体がストライキに動いた背景と課題」です。

新型コロナウイルスのパンデミック、ロシアによるウクライナ侵略で危機的な状況にある世界の医療機関ですが、その労働環境はあまりよいものとはいえません。

日本でも、新型コロナウイルスの感染拡大に際しての医療従事者への支援は十分ではありませんでした。

イギリスの看護師の労働運動から、日本の医療従事者の待遇改善にも活かせることを学べる講座になっています。

ぜひご参加ください。

【この記事を書いた人】

雁屋優(かりやゆう)

ライター/サイエンスコミュニケーター(2023年度北海道大学CoSTEP受講生)。

2015年に指定難病となったアルビノ(眼皮膚白皮症)当事者。

難病や希少疾患の人々の自己決定を支える情報が圧倒的に足りていないことに問題意識があり、現状を変えるべく文筆業をしている。

明石書店のwebマガジン、webあかしで「マイノリティの「つながらない権利」」、現代書館noteにて「マイノリティのハローワーク」連載中。

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