【感想】梁澄子さん講座#2022年U30第8回

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ふぇみ・ゼミスタッフのYです。

2023年1月18日(水)第8回U30の講師は梁澄子さんに登壇していただきました。テーマは「日本軍性奴隷制サバイバーが切り開いたもの:日本における運動を中心に」でした。梁さんは日本軍戦時性暴力/性奴隷性サバイバーである宋神道さんと金福童さんという二人の人物を中心に日本軍による性奴隷制問題について語ってくださいました。1990年代から日本軍戦時性暴力/性奴隷性サバイバーの支援運動や記憶・継承運動に関わってきた梁さんの話は、長い活動の経験だけに具体的で、重みがあったので日本軍戦時性暴力/性奴隷性問題を再び感じさせられました。

宋神道さん、金福童さんはそれぞれ7、5年間、日本軍が設置した性奴隷施設、「慰安所」に連れて行かれ、性奴隷被害に遭いました。梁さんは長い間、日本軍による被害に苦しんでいた分、お二人とも証言内容が非常に具体的であると説明されました。しかし、その長い年月を経る中でお二人は「精神的自由」を剥奪されたともお話しされました。お二人の証言を聞いた梁さんの経験を通じて、性奴隷被害の傷痕が、何十年が経ってもお二人の心身に残っていたことを思い知らされました。

講座の後半では韓国で日本軍戦時性暴力/性奴隷制の被害者支援運動が始まった背景と歴史について解説しました。支援運動は、民主化運動が活発に展開されていた時代、警察による女性活動家への性暴力やDV問題など、女性への人権侵害問題が浮き彫りにされた頃から胎動したといいます。その頃、問題視されたことの一つに日本人による韓国への買春(かいしゅん)観光、「妓生(キーセン)観光」があったといいます。この「妓生観光」に対する問題意識を共有する「女性と観光文化セミナー」で、初めて、日本軍戦時性暴力/制奴隷制に関する調査報告がなされました。

この報告が起爆剤になり、韓国と日本、両国で日本軍戦時性暴力/性奴隷制問題に対応する運動が生まれました。韓国では調査報告をした尹貞玉(ユン・チョンオク)さんらを中心に、日本では、「女性と観光文化セミナー」に参加していた日本の女性団体、「とりくむ会」を中心に活動が展開され始めたとのことです。この活動が韓国の「挺身隊通報電話」や日本の「従軍慰安婦110番」などの活動につながり、日本軍戦時性暴力/性奴隷性サバイバーが名乗りで始めました。すでに30年ほど前から#MeToo運動が始まっていたのです。梁さんが日本軍戦時性暴力/性奴隷制サバイバーの名乗り出を「#MeToo」に例えた時、現代における反性暴力運動の歴史の長さに驚き、また、なぜかその歴史が今闘っている私たちの味方になってくれている気分になりました。

梁さんは「今日のテーマは『日本軍性奴隷制サバイバーが切り開いたもの』ではあるが、サバイバーだけでは切り開けなかった面もある」と述べました。長年の性被害の中で精神的自由を奪われ、苦しい思いを打ち明けられなかったサバイバーたちの証言が社会に発信されることができたのは支援団体が受け皿になってくれたからだと。宋神道さん、金福童さんの証言と当時の様子を生々しく描く梁さんの姿をみて、次の受け皿は私たちがやるべきではないか、といった責任感も感じました。

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