【第2回ふぇみ・ゼミ】スタッフ感想

ふぇみ・ゼミスタッフのKです。

6月9日(水)のU30講座では、講師に英文学者の北村紗衣さんをお迎えしました。第2回の今回は、「ウィキペディアにひそむジェンダーバイアス」がテーマ。

主に、

  • ウィキペディアとジェンダーバイアス
  • ウィキペディアにおける女性科学者の立ち位置とは

について中心的に学びました。

  • ウィキペディアとジェンダーバイアス

まずは、ウィキペディアを日常的に使用したことがあるか、自分で書いたことはあるか、などウィキペディアにまつわるアンケートから始まりました。寄稿している私自身、ウィキペディアで調べ物をすることはあったので、結構馴染み深いものではありました。しかし、ウィキペディアを編集したことがなかったので、ウィキペディアを書くための知識を全く知らないことに気付きました。視点を変えることも大切ですね。

ウィキペディアを書いている人=ウィキペディアンというそうです。皆さんはご存知でしたか?ウィキペディアンである北村さんは、英日翻訳ウィキペディアン養成セミナーというプロジェクトを行なっているそうです。目的は、学生の英語力、調べ物技術の向上と、日本語版ウィキペディアの発展。後述しますが、女性の研究者を入れることを意識していらっしゃるそうです。

ウィキペディアと教育、といえば、ウィキペディアタウンというイベントがあるそうです。町おこし×エディタソンとして、みんなでウィキペディアを盛り上げようとする試み。こちらも興味のある方はぜひ調べてみてください。

ウィキペディアには三大方針があるそうです。

検証可能性、中立的な観点、独自研究は載せない、の3つ。

信頼できる情報源からの出典がきちんとついていることが重要。ウィキペディアの特色として、専門家ではなく、素人が書くことを想定しているので、自分の分析をしてはいけない、ということがあります。

(よく書けている記事は秀逸な記事や良質な記事と言われ、星マークがついているそうです。見比べてみるのもいいかもしれません…!ex:激おこぷんぷん丸)

この三大方針をしっかりと掲げているウィキペディア。ではその信頼性はどうなんでしょうか?

大学生の中には、もしかしたら、大学1年次に先生からウィキペディアを参考文献として書くな、と言われたことがある方も多いのではないでしょうか。三大方針を掲げていたとしてもやっぱり、信頼性は欠けます。北村さんは構造的な問題があると指摘します。

構造的な問題とは、運営がボランティアであること、専門家の意見が反映されるわけでは無いこと、ジェンダーバイアスが強固であることの3つ。

データが膨大すぎて、チェックが行き届かないことがやはり問題ですよね。ウィキペディアは誰でも編集できることが強みですが、反対に専門家の意見が強く反映されるわけでは無いので、コミュニティの合意が重視されるものでもあります。

2011年にウィキメディア財団が行った調査によると、ウィキペディアを書いている女性は9%と言われており、かなり女性が少ないと考えられています。ジェンダーに限らず、記事を書いている人のバラエティがあまり無いため、分野が偏りがちという問題があります。それが顕著に現れているのがジェンダーなのです。

  • ウィキペディアにおける女性科学者の立ち位置とは

女性に関する記事が少なく、女性に関するものとみなされていることは削除依頼に出されやすい、ということがあります。ウィキペディアには独立記事作成の目安というものがあり、「特筆性がない」と削除される場合が多いそうです。自分に関係のないものや興味のないものほど特筆性をとされることが多く、編集者に偏りがあるため女性に関する記事は削除されることが指摘されています。

ではウィキペディアで手薄な分野とはなんでしょうか?

一般に女性のものとされる、ファッションやメイクなどの分野だそう。化粧筆やペンシルスカートなどの言葉がないのは衝撃でした。

他にもマリー・キュリーほどの科学者はなかなかいないのにもかかわらず、最初は夫婦としてウィキペディアに掲載された、などの事例があります。夫がノーベル賞を受賞したときに夫婦として記事が立つのか?と反対の状況を想像してみると、その異様さを感じ取ることができます。

この問題の対策として、女性記事の赤リンク(リンクのないもの)を青リンクにすることで消されにくくするプロジェクトや、女性と科学についてのエディタソンなどの開催が行われています。

そして、講義の最後に北村さんは、ないものを見つける重要性をお話しくださいました。ウィキペディアでも批評でも、何があるかではなく、何がないのかに気付くことが私たちに求められています。

私は、本講義を受けて、ウィキペディアを自分から書き込むという行動も実は重要なことだったんだと思い、驚きました。ウィキペディアを編集してみたいという気持ちはありつつも、講義後のおしゃべり会でも話題に上がりましたが、それでもウィキペディアへのハードルが高いように感じます。なぜウィキペディアのハードルが高いのでしょうか?私は、ウィキペディアのUIの悪さと、編集を積極的にして欲しいターゲットの性質も影響していると考えました。実際にウィキペディアを編集しようとしてみたのですが、使いにくさを感じることが多かったというのが率直な感想でした。10代20代の若者はパソコンよりもスマホの方が使い慣れている、という話はよくされます。アプリでの操作が多いので、画面がわかりやすいものの操作に慣れてしまったからウィキペディアはわかりにくく感じるのかもしれません。自分から投稿する形式として、Twitterやインスタグラムがありますが、それよりも第一歩がハードル高く感じるのかもしれません。これを改善するには、北村さんが講義で挙げられていたように、イベントを開いたり、ウィキペディアにはアプリバージョンもあるようなので、アプリの普及も重要だと感じました。

さて次回は7月7日(水)19時から!

山田秀頌さんに「トランスジェンダーとフェミニズム/クィア」について講義していただきます。

みなさん、ぜひご参加ください!

<次回のゼミ>

6/9(水)19:00〜21:00 

山田秀頌さん 「トランスジェンダーとフェミニズム/クィア」

プロフィール:トランスジェンダー/クィア理論が専門。東京大学大学院総合文化研究科博士課程。主な論文に「トランスジェンダーの普遍化によるGIDをめぐるアンビヴァレンスの抹消」(『ジェンダー研究』23号)など。

推薦図書:ゲイル・サラモン(2019年)『身体を引き受ける:トランスジェンダーと物質性のレトリック』藤高和輝訳、以文社

<その他の講座はこちらから確認!>

ふぇみ・ゼミU30:https://2021femizemiu30.peatix.com

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