【第1回ふぇみ・ゼミ】スタッフ感想

ふぇみ・ゼミスタッフのMです。

5月19日(水)に清水奈名子さんの講義を開催しました。テーマは「被害の否認と自己責任化~原発事故とコロナ禍に共通する課題を考える~」。今まさにホットな話題ですよね。

講義はアジア太平洋戦争後の「戦争被害受忍論」から始まりました。学部、大学院と日本軍「慰安婦」問題を研究してきた私にとって、大変興味深い話でした。

清水さんは原発事故後、被災者の方々にインタビューをし、その実態を調査されてきました。調査から見えてきたことは、その被害、リスクが軽視されていること、美化されてしまった福島、二元論的な女性像と性別役割分業の強化だったそうです。

なぜそんなことがおきてしまったのでしょうか。その原因は多様性が欠如した意思決定主体でした。どこかで見た覚えがあるような・・・。まるで今の日本政府です。

新型コロナウイルスの拡大によって見えてきたのは男性ばかりの意思決定主体と、そうした政府によって決定されたコロナ対応によってしわ寄せをくらった女性たちでした。女性だけでなく、様々なマイノリティの人々が生活が困難になるほどの影響を受けました。10年前から全く変わっていないことをわかってはいたけれど、改めて考えさせられました。

そして最後に、現在自己責任論が再強調されているとのことでした。確かに日本社会で生きていると自己責任で物事を考える傾向が強くなります。実際大阪大学の三浦麻子教授らの調査により、「コロナ感染は自業自得」と答えた人はアメリカが1%、イギリス1.49%、イタリア2.51%、中国4.83%だったのに対し、日本は11。5%だったそうです(参考記事:https://www.yomiuri.co.jp/national/20200629-OYT1T50107/)。さらに生活においても、菅内閣総理大臣は最初に「自助」を掲げ、非難を浴びました。日本のトップが自己責任論を強調し、人々を追い込んでいる状況が続いています。

原発事故も同様です。清水さんの講義を聞きながら、原発事故により福島から避難する人々の話を思い出しました。日本政府は4月に汚染水の海洋放出を決定しました。原発事故が発生した時もそうでしたが、まず心配されるのが「風評被害」です。政府は「風評対策についてできることは全てやる」と言いましたが、「風評被害」とは果たして何でしょうか。原発事故や海洋放出の最大の問題は「風評被害」という「個人の心の問題」による被害であり、「害があると思い込んでいる人たちが悪い」と自己責任化し、実害から目を背けようとしてはいないでしょうか。

この話をふと思い出し、原発事故もコロナも全てつながっていることに寒気がしました。自己責任論ほど怖いものはない。これまで押し付けられてきた考え方を変えることはなかなか難しい作業ですが、これを機会にもう一度自己責任という考え方に疑問を投げかけてみようと思います。

そして講義後にゼミ生とスタッフ、そして清水さんと懇親会を行いました。1時間を超えておしゃべりをしたのですが、講義では聞けなかった話、ゼミ生のみなさんの関心事を聞けて、とても充実した時間になりました。遅くまでご参加ありがとうございます!

そして改めまして、清水さん貴重なお話をありがとうございました!

さて次回は6月9日(水)19時から!北村紗衣さんに「ウィキペディアにひそむジェンダーバイアス」について講義していただきます。ウィキペディアは普段からよく使うサイトではないでしょうか。ちょっと気になることがあった時、わからない事があった時、調べたらすぐ出てきますし便利なツールです。そんなウィキペディアにもジェンダーバイアスがひそんでいたなんて・・・、すごく気になる内容です。

みなさん、ぜひご参加ください!

<次回のゼミ>

6/9(水)19:00〜21:00  

北村紗衣さん「ウィキペディアにひそむジェンダーバイアス」

プロフィール:武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授。英文学者。東京大学で学士号及び修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士課程を修了。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、観客研究、フェミニスト批評。

参考文献:ピーター・バーク(2015年)『知識の社会史2-百科全書からウィキペディアまで』井山弘幸訳、新曜社

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ふぇみ・ゼミU30:https://2021femizemiu30.peatix.com

その他講座情報等:https://femizemi.org/

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