【感想】井谷聡子さん講座#2023年U30第1回
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ふぇみ・ゼミスタッフのRです。2023年5月17日(水)、2023年度ふぇみ・ゼミU30第1回目は、井谷聡子さんが講師として登壇されました。テーマは「近代スポーツから考えるジェンダー、セクシュアリティ、人種、自然」でした。
体育の授業、部活、スポーツ観戦など私たちにとって身近なスポーツが、いかに性別二元論や人種差別を内包したものであるのかということについて丁寧にお話しいただきました。また、近代スポーツの歴史から、植民地主義とは切り離せない関係があることや、女性や人種化されてきたマイノリティがどのようにスポーツに参加できるようになってきたのかを学びました。植民地主義との関係において、自然が人間に征服される対象として捉えられるようになった近代的価値観と並行して、スポーツが異性愛白人男性を基準とした男らしさを表現する場となっていたという話が印象的でした。「男女の違いは自然なもの」という生物学的決定論もまた、近代に特徴的な言説であり、それは異性愛白人男性中心主義によって支えられていたという視点はとても重要であると思いました。
現代においてもトランス女性のスポーツ参加に対する差別的言説があります。井谷さんは、こうした言説が生物学的決定論に基づいているという点で、かつてのスポーツからの女性の排除と構造的な共通点を指摘されていました。また、スポーツの世界におけるホモフォビアが現在でも根強いことからも、こうした西洋社会ジェンダー秩序が根深い問題であるという話も印象的でした。
今回の講座を通じて、私が学校の体育の授業や部活動で感じてきた居心地の悪さを言語化できるようになったと感じました。例えば、学校が設けた身体能力の基準によって「スポーツができない」とされる男子に対する眼差しや、スポーツが「できすぎる」女子へのからかいなどです。自分にとって当たり前のスポーツをジェンダーや植民地主義という視点で見ることで、たくさんの問題が浮かび上がってきたと同時に、なかなか知る機会がないことも大きな課題であると感じました。誰もが楽しくスポーツができるようになる社会はまだまだ遠い未来の話のように感じますが、今後スポーツを観たり、プレーしたりする際にアンテナを貼っていきたいと思います。
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