【ゼミ生の感想】上岡磨奈さん講座「「アイドル」を問い直す―ジェンダー、セクシュアリティ、仕事」#2025年U30第3回
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【講座を受講したゼミ生の青木門斗さんからの感想です】
今回は、上岡磨奈さんより「『アイドル』を問い直す」という題のもと、アイドルをめぐるジェンダーやSOGIの問題と、アイドルの労働問題についてお話しいただきました。どちらの問題についても、アイドルに関する従来の議論の展開を追った後で、何が論点となるのかご提示いただき、自分自身でアイドルについて考えるよき機会となったように思います。今回の感想では、前半のジェンダー・SOGIの問題に焦点を当てて、「アイドルとは何か」という問いをめぐって考えたことを文章にしようと思います。

少なくとも2000年代以降、日本におけるアイドルは女性アイドルと男性アイドルに明確にジャンル分けされてきました。2001年生まれの私は、そうした男女で分けられるアイドル業界に大きな違和感を抱くことなく育ってきました。男女のジャンル分けは、アイドルにおける「男性性」「女性性」の戦略的な演出と一体的なものですが、そうした男女二元論的演出を私自身も知らず知らずに受容してきたように思います。
男女にジャンル分けされ、「男性性」「女性性」の演出がされることは、アイドルだけでなく、アーティスト(歌手)、モデル、俳優など芸能界における様々な仕事について言えるように思います。それでもなお、アイドル論には芸能論には回収しきれない論点があるように感じました。上岡さんはお話のなかで、「lyrical school」というアイドルユニットに男性メンバーが加入した際に「もうアイドルではなくなってしまうんだ」というファンの声があったと言います。また、アイドルは「恋愛禁止」であるという規範が人々に共有されており、恋愛がスキャンダルとなる点も、アーティストや俳優といった他の職業とは大きく違う点だと言えます。こうした状況の背景には、次の2つのことがあります。すなわち、アイドルが「恋愛至上主義」を強く帯びていること。さらに、その恋愛至上主義が、アイドル自身とそのファンがシスヘテロセクシュアルであること(出生時に割り当てられた性と自身のジェンダーアイデンティティが一致していて、かつ異性に対して恋愛的・性的魅力を感じること)を前提としていることです。

上岡さんはお話の冒頭で、「アイドルを定義づける条件」は「歌とダンスによる演技が中心であること」以外に存在しないのではないかとお話ししながら、「アイドルとは何か」自体が重要な問いであるとおっしゃっていました。異性愛規範の上に立つ恋愛至上主義はアイドルの本質ではないように私自身思えますが、アイドル運営の戦略やアイドルファンの心理においては異性愛規範と恋愛至上主義こそがアイドルの中核にあるようにも見えます。「アイドルとは何か」という問いが容易には答えがたい問いであること、ということを強く実感した講座だったように思います。
最後に、フェミニズム的観点からは、「男性アイドル」と「女性アイドル」の差異に目を向ける必要性も感じました。生活上の感覚ですが、恋愛スキャンダルによる炎上は女性アイドルの方が大きくなるように思います。その背景には、異性愛規範的な恋愛至上主義だけでなく、異性愛における男性の女性に対する所有意識も重なっているのではないでしょうか。「アイドル」とは、性的指向・ジェンダーアイデンティティ・恋愛至上主義・家父長制といった様々な性質の交差した複雑なテーマであることを改めて感じます。
ふぇみ・ゼミU30ゼミ生 青木門斗
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