【感想】茨木尚子さん講座#2024年U30第6回

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 ふぇみ・ゼミU30第6回では茨木尚子さんにご登壇いただきました。「当事者主体の社会福祉政策とその運営のあり方を考える―障害者制度改革の『中の人』としてかかわった経験をもとにー」というテーマで、当事者主体とはどういうことなのかについて考える回でした。講座の前半では、茨木さんが障害者福祉の分野で働き始めた時のことをご紹介されました。後半では障害者自立支援法に変わる障害者総合福祉法の中身を検討する政策部会に参加された当時のことについてお聞きしました

 とても重要だと思ったのが「措置」に関するお話でした。「措置」制度とは、保護者と呼ばれるような人がいなくなるなどして、障害のある方を入所施設に「措置」、つまり入所させる制度です。茨木さんが20代の頃に行政で働かれていた際、脳性麻痺の知的障害があり、車いすを利用していた女性が秋田の施設に入所するのに付き添ったそうです。入所手続きが終わった時、「なぜ私東京の人なのに東京に住めないの?」と言われたそうです。その後、この方に会いに行った際に、この利用者さんはすっかり東京のことを忘れていたそうで、茨木さんは「思い出や記憶までも奪ってしまった」とおっしゃっていました。

 私や障害のない人の多くは自分の住む場所を選べず、強制的に見知らぬ土地の施設に入所させられるという経験はまずないかと思います。そんなことをすれば人権侵害として訴えられるからです。しかし、障害を持つ人にはこのような人権侵害がまかり通ってしまう、周りも「しょうがない」と思ってしまう社会をみなさんはどう思うでしょうか?私は、分離教育や優生思想などが社会や政治制度の中に残り続ける限り、このような人権感覚も続いていくのだろうと恐怖を感じました。

 講座の後半では、様々な障害を持つ当事者が政策を検討した会議についてのお話でした。入所施設を望む障害者の保護者や異なる障害を持つ当事者間での議論の難しさなどについて、実際に中で活動していた立場からの貴重なお話でした。結果的にはこの会議体の提言に沿った内容の障害者総合支援法にはならなかったそうです。しかし、運動というものはコツコツ続けていると、ある時大きな変化が生まれることもあるということで、地道に続けていくことが重要であるというお話もしていただきました。

 講座後の懇親会でも、会社の障害者雇用の課題や脱施設を掲げることの重要性などを参加者、スタッフ、運営委員と話しました。まだまだ知らないことが多いなということを感じたと同時に、自分にできるところから運動を展開し継続していきたいと思える回でした。茨木さん、大変貴重なお話をありがとうございました!

ふぇみ・ゼミスタッフ 石田 凌太

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