お申し込み

2024年3月31日(日)23:55までお申込み可能です。後から配信もあります!

以下のpeatixサイトからお申込みください。

https://roudou-femizemi.peatix.com/

*この講座は、ふぇみ・ゼミパスポート(2023年度)の対象です。年間パスポートをお持ちの方は、追加料金なしで受講できます。

講座概要

2021年度から始まった、ふぇみ・ゼミによる「問い直す」講座。2021年度は教育を、2022年度はメディアを、ジェンダーや民主主義の視点から問い直してきました。

3年目となる2023年度は「労働」を問い直します。非正規労働者が直面する低い賃金・待遇・地位は、どのような構造によって生み出されているのか。持続可能な社会運動のため、社会運動と労働の関係をどのように捉え直すべきか。人の生を可能にするための労働を提供するケア労働者自身の生や尊厳が危うくされている現状をどう変えていけるのか。本講座では、ジェンダーと民主主義の視点からこうした問題に取り組む他、セックスワーカーの運動やコロナ禍で起きた医療者らによるストライキ、ふぇみ・ゼミ&カフェも当事者である社会運動での労働/労働運動のあり方など、国内外の労働者運動の今にも目を向けます。

*全ての講座に、UDトーク(校正者あり)による日本語リアルタイム字幕が付きます。

プログラムの日程・内容

第1回:7月28日(金)19:00~21:00

竹信三恵子さん「女性を軸にした労働改革が社会を救う」

女性は周辺的働き手として語られがちです。ただ、女性の労働問題は、実は日本の労働問題を解決するための核心ともいえるものです。労働の規制緩和も、非正規の低賃金も、「女性は夫の扶養がある」を突破口にして進められ、男性は「女性を扶養するため」として長時間労働を求められてきたからです。根底には他のマイノリティも含む「差別」の問題が横たわっています。女性を軸にした本当の労働改革への道を考えて行きましょう。


第2回:8月20日(日)20:00~22:00 *いつもと時間が異なります。

おざわじゅんこさん「イギリスの看護師職員団体がストライキに動いた背景と課題」

パンデミック、ウクライナ侵略を受け世界中の医療機関は危機に面している。イギリスでいま見られている医療者不足に始まる労働条件の悪化は2020年以前からの課題が明らかになっただけともいわれる。ロンドンで働く助産師が助産師の労働者として地位とその挑戦についてお喋りします。公共医療機関(NHS)の根強い組織的人種差別・性差別と2010年からの保守政権緊縮財政・Brexitにも目を向けることはできるでしょうか。乞うご期待。

第3回:9月8日(金)19:00~21:00

渡邉琢さん「障害者自立生活運動とケア労働」

重度障害者の立場と介護者やケア労働者の立場はしばしば対立します。親元、施設などでは介護者側の都合が優先され、障害者の自由は制限されやすいです。重度障害者の24時間365日の地域自立生活のニーズに対応するには介護者側の意識や体制の変革も必要です。障害者の権利保障と介護者の地位向上は簡単には同時進行しません。障害者と介護者の間の確執や、地域自立生活を支えるケア労働の課題などについてお話します。

第4回:10月20日(金)19:00~21:00

遠山日出也さん「中国のセックスワーカー運動とフェミニズム」

中国はかつて売買春を廃絶したと言われたが、改革開放後、売買春が復活した。そうした中、セックスワーカーはどんな状況に置かれてきており、それに対してフェミニズムはどのように対応したのか? 2000年代に始まったセックスワーカーらの運動はどんな活動をし、フェミニストはそれとどのように関わり、一部は連帯をしたのか? こうした点について、民主主義全般の状況とも関連させてお話しさせていただきます。

第5回:11月17日(金)19:00~21:00

要友紀子さん「社会政策は労働政策ではない(平等権、自由権、社会権の保障でもない)」

来年から施行される困難女性支援法の基本方針では、とりわけ“若年女性”や“性搾取”への取り組み強化が謳われるなど、多様な属性・背景・年齢層の女性の中のしんどさや困難の意味の不平等が根強い。シェルター事業や生活支援や職業訓練などの社会政策をメインとする同法は、経済や待遇等の男女格差を是正する労働政策ではないが、ジェンダー平等前進のための法と解する向きもあり前途が悩ましい。教育・労働・人権・文化あらゆるところで性やマイノリティのことで労働者どうし、民衆どうしが分断する仕掛けを作り維持・強化してきた自民党政権の問題を語らずして、この問題は語れない!

第6回:12月15日(金)19:00~21:00

ほんまなほさん「大阪・釜ヶ崎、クィア、そしてパフォーマンス労働について」

寄せ場、日雇い労働者の街として知られる大阪・釜ヶ崎は、近年、労働者らの高齢化にともなって、日雇い労働者以外のさまざまな背景をもつ単身者が身を寄せるあたらしい街へと変貌し、また、歴史的にも新世界のゲイタウンや花街・飛田に隣接する地域として、さまざまな内外のひとたちの交流がはぐまれてきました。その釜ヶ崎において生まれつつあるクィアのコミュニティや表現活動を紹介しながら、紙芝居や盆踊りなど住民の手による共同作業としての「パフォーマンス労働」とケアリングについてかんがえてみます。


第7回:1月26日(金) 19:00~21:00 *通訳がつきます

ヨジンさん(韓国)「『公益活動家』の持続可能性と尊重のための安全網づくり〜同行(トンヘン)の活動を中心に〜」

公益活動家 社会的協同組合 同行(トンヘン)は、活動家らの連帯、協働、自助・自立をめざし、 相互扶助する組織である。韓国唯一の非営利組織の活動家の社会・経済的安全網となっている。同行を立ち上げたきっかけとなった、韓国の活動家が置かれている状況や持続可能な活動のための支援内容、今後の課題について考えていきたい。

第8回:2月16日(金)19:00~21:00

伊藤みどりさん「ケアを社会の柱に 労働とフェミニズムの狭間で~ホームヘルパー国賠訴訟で何を訴えたかったのか」

2000年介護保険は、介護の社会化をうたい文句に介護労働を民営化し半官半民のシステムになった。23年間を検証する。とりわけ訪問介護は崩壊寸前、有効求人倍率は15倍、低賃金、細切れ出来高支払い労働は何故許されてきたのか。違法な働き方は長年何故見過ごされてきたのか。コロナ禍で可視化された資本主義の破壊的危機の時代に、ケア労働はディーセントワークとしての尊厳を取り戻すために、その価値を共有したい。

第9回:3月8日(金)19:00~21:00 International Women’s Day! *通訳がつきます。

阿雪さん(香港のアクティヴィスト)「香港におけるフードデリバリー配達員のストライキ~エスニシティ×ジェンダー×コミュニティ」

 香港では度々フードデリバリー配達員のストライキが起きている。ストライキ運動の中でオルガナイザーを務めた阿雪さんに、以下の視点でお話を伺う:
 2021年のフードパンダに対するストライキの背景となる社会状況やストライキを起こした南アジア系労働者との連帯について説明した上で、香港・フードパンダに対する2度のストライキ(2021年、2022年)のオルガナイズのプロセスを比較する。
 「メインステージ」/「メインステージ」無し/「プラットフォーム」のそれぞれのオルガナイズの形式、団体行動の動員と意思決定のプロセスなどについて検討する。
 また、プラットフォーム労働運動の中の女性について、ストライキに参加した女性配達員、ストライキ参加者たちの側に見られたよくない組織文化、女性のセクシュアル・マイノリティとしての「私」/団体事務局長が経験した葛藤について、セクシュアル・マイノリティの運動に参加した経験と比較して語る。

第10回:3月22日(金)19:00~21:00

木本喜美子さん「共稼ぎ家族の不可逆的増大?-女性労働をめぐる歴史的構造とその揺らぎー」

日本では今なお、雇用労働における男女間の格差が著しいことは周知の事実である。その根源に何があるのか。この謎に迫ろうとすれば、戦後日本を経済大国にまで押し上げた日本的雇用慣行が、「無業の主婦」を組み込んで成立したことを見据える必要がある。その影響力が、実に大きかったからである。だがこうした歴史的縛りから女性は抜け出して、「働くこと」に接近しつつある。女性は働くことを通じて、何を獲得しようとしているのか。いくつかの事例を取り上げて、女性が働く意味について考えたい。

講師プロフィール

第1回

竹信三恵子(たけのぶ・みえこ)さん
ジャーナリスト・和光大学名誉教授。朝日新聞編集委員、和光大学教授などを経て現職。2009年、労働と貧困をめぐる一連の報道活動に対し貧困ジャーナリズム大賞。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書)、『家事労働ハラスメント』(岩波新書)、『賃金破壊』(旬報社、2022年日隅一雄・情報流通促進賞特別賞)、『女性不況サバイバル』(最新刊、岩波新書)など

第2回

おざわ・じゅんこさん
岡山県出身。1998年 文系大学卒業後イギリスへ渡航。 イギリスで助産師資格取得。現在NHSで時短(週30時間)勤務。継続ケアチームに所属。 目下の目標は医療界のヒエラルキーをなくすこと。 誰も先生と呼びません。夢は世界平和。 リプロ・リサーチ実行委員会と「#もっと安全な中絶をアクション」のメンバー。 フラワーデモをロンドンで実行中。

第3回

渡邉琢(わたなべ・たく)さん
NPO法人日本自立生活センター自立支援事業所理事・介助コーディネーター。著書に、『介助者たちは、どう生きていくのか』(生活書院、2011年)、『障害者の傷、介助者の痛み』(青土社、2018年)。最近の論稿に「Don’t Care !―障害者自立生活運動におけるケアの拒否と忘却,そして復権をめぐって」(『臨床心理学』、2022年11月)など。

第4回

遠山日出也(とおやま・ひでや)さん
立命館大学BKC社系研究機構客員研究員。ウェブサイトは「遠山日出也の現代中国女性史研究ホームページ」(http://genchi.yamanoha.com/)。今回の講座は、拙稿「中国のフェミニズムとセックスワーカー運動」(小浜正子・板橋暁子編『東アジアの家族とセクシュアリティ:規範と逸脱』京大出版会 2022)などをもとに行う。

第5回

要友紀子(かなめ・ゆきこ)さん
セックスワーカーの健康と安全のために活動する団体SWASH(https://swashweb.net/)代表。アジア太平洋地域23カ国47団体のセックスワーカー団体のネットワーク組織APNSW(https://apnsw.info/)運営委員。2018年に「セックスワーク・スタディーズ」(SWASH編、日本評論社)を当事者らと出版。

第6回

ほんま・なほさん
大阪大学COデザインセンター教授、パフォーマー。哲学プラクティス、対話、こどもの哲学、フェミニズム哲学、マイノリティ・スタディーズ、さまざまなひとびとが参加することば・おと・からだによる表現活動をおこなう。共著書『ドキュメント臨床哲学』、『哲学カフェのつくりかた』『こどものてつがく』ほか、『受容と回復のアート』など、アートミーツケア叢書を監修。

第7回

ヨジン(よじん)さん
フェミニズムが知りたいと思い、活動を始めた。「韓国女性民友会」というフェミニズム団体で約14年間、常駐スタッフとして活動した。先輩の活動家の提案を受けて、公益活動家を支援する同行(トンヘン)で事務所長として活動することになり、今年で7年目となる。
公益活動家があるからこそ、社会は変化するのだと信じて、
精いっぱい、公益活動に「真心」を込めたい人。

第8回

伊藤みどり(いとう・みどり)さん
ホームヘルパー・介護福祉士。1995年に「女性ユニオン東京」を結成。2007年に「はたらく女性の全国センター(ACW2)」結成。孤立した貧困女性と労働組合の中間的プラットフォームとして対話の土壌をかもすワークショップや相談員のトレーニング、はたらく女性のホットラインの取り組みを継続して行っている。2019年11月にはホームヘルパー国賠訴訟提訴し、現在控訴中。

第9回

阿雪さん(香港のアクティヴィスト)
香港での労働条件の改善を求めるフードデリバリー配達員たちと共に闘う労働団体、ライダーズライツ・コンサーングループのメンバー。現在は、フードデリバリー・プラットフォームの運営に関する研究プロジェクトに参加している。ハイキングとムエタイの愛好家。

第10回

木本喜美子(きもと・きみこ)さん
一橋大学名誉教授。博士(社会学)。家族と労働の社会学。地方圏でのフィールドワークにもとづく調査研究を続けています。ひとつは、働き続けてきた女性へのインタビュー調査、もうひとつは、自営業を創業した女性へのインタビュ-調査です。著書に、『家族・地域のなかの女性と労働―共稼ぎ労働文化のもとで』(編著、明石書店)、『女性労働とマネジメント』(単著、勁草書房)、『地方に生きる若者たちーインタビューからみえてくる仕事・結婚・暮らしの未来』(共著、旬報社)、M・グラックスマン『「労働」の社会分析ー時間・空間・ジェンダー』(監訳、法政大学出版会)

参加費

1回券

  • 一般 1,800円
  • 学生・2023年度ふぇみ・ゼミ寄付者(年間1万円以上)1,500円
  • U30受講生(2023年度)1,000円 

全回通し券

  • 一般 15,000円
  • 学生・2023年度ふぇみ・ゼミ寄付者(年間1万円以上)12,000円
  • U30受講生(2023年度) U30年間パスポートをご購入いただければ通し券扱いとなります。
    ※ふぇみ・ゼミU30の情報についてはこちら(2023femizemiu30.peatix.com)

お問い合わせ

ふぇみ・ゼミ事務所:〒115-0044 北区赤羽南2丁目4-7 鷹匠ハイツ403号室
メール:femizemi2017@gmail.com
HPアドレス: https://femizemi.org/
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