【ゼミ生の感想】向山夏奈さん講座「津久井やまゆり園事件から9年―どうしたら19人のみんなと出会えたのか」#2025年U30第4回

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【講座を受講したゼミ生の髙橋夏未さんからの感想です】

 今回の講座では、講師の向山さんが自身の内面や考え方の変化を包み隠さず、生身の言葉で語っていた姿が印象的だった。向山さんは、「自分の無知を晒すようで恥ずかしいが」などと、自身の決して完璧ではない内面について何度も話していた。決して向山さんと筆者が同じ気持ちだとは言えないが、そうした誠実さを持つ向山さんが講師だったことで、自分自身の無知や愚かさにも勇気をもって向き合うことができたのではないかと思う。また、講座中で向山さんからの複数の問いかけがあったことで、より自分の内面を問い直し考える機会になったと思う。

講座当日の会場の様子。講師の向山夏奈さん(右)と司会の髙橋夏未さん(左)

 自分自身のどす黒い内面と向き合うことには苦しさもあると思うが、なぜ考えることを諦めずにこられたのかという筆者の質問に対する、「私の目の前にいる海老原さんが解放されているとしたら、私は何なんだと思った」という向山さんの応答が非常に心に残っている。海老原さんは向山さんが事件をきっかけに出会った障害者運動家だ。向山さんは海老原さんのような強烈な自己を持った人に出会って「自分を引きずり出されるような」強い衝撃を受けたという。筆者自身、海老原さんと向山さんのやり取りを聞いて、保護される存在で主体性がないといった保護主義的な障害者のイメージとは程遠い力強さを感じた。向山さんに強い衝撃を与え、そして向山さんから筆者に気づきを与えてくれた点だけを見ても、事件の犯人が言ったような障害者は「人を不幸にするしかない」という決めつけは全くの誤りだと言えるだろう。

講座終了後は、講師の向山夏奈さんとゼミ生の皆さん、スタッフで懇親会を実施しました!

 また、向山さんが海老原さんに最初に教えられたという「あなたには私の大変さはわからないし、私にもあなたの大変さはわからない」という姿勢も印象的だった。あなたと私は同じではないと改めて意識することは、保護主義的な関係性に陥らないためにも必要な視点ではないか。例えば、この人はこう考えているに違いないといった自分の考えだけで支援しようとしては、被支援者の主体性が損なわれる危険があるだろう。さらに、同じ女性、同じ日本人、……などと、ある一つの属性だけを見て、みな同じような経験をしていると捉える考えは社会に根強いと感じる。あなたと私は違うという態度は、インターセクショナリティの視点を持って社会を考える際にもとても重要だと思った。

懇親会では赤羽駅の近くにあるネネスキッチンさんのフィリピン料理をテイクアウトしました!

 最後に、先日向山さんに紹介していただいた書籍を何冊か購入した。今回の講座だけで学びを終わらせず、本を読んで事件や障害者差別の問題に自分なりに向き合い続けるとともに、事件で亡くなった人々の存在を忘れずにいたい。

ふぇみ・ゼミU30ゼミ生 髙橋夏未


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