【感想】金静寅さん講座#2024年U30第7回

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第7回では、在日朝鮮人の歴史から始まり、金静寅さんが性差別撤廃部会を立ち上げるまでの経緯、そして立ち上げ後に直面した問題や課題についてお話を伺いました。

在日朝鮮人は、かつて日本の植民地支配下で日本人として扱われていましたが、戦後、日本政府の一方的な通達によって外国人とされ、常に「外側の人間」として扱われてきました。当時の社会保障や社会福祉には国籍条項が設けられ、在日朝鮮人はその権利を持つことができませんでした。この話を聞き、国家によって「保護される命」と「そうでない命」が選別されていた現実を痛感しました。

朝鮮戦争以前、朝鮮半島は一つの国でした。そのため、北と南のどちらにルーツがあるのかを明確に区別することが難しい人も多くいます。それにもかかわらず、日常的に何気なくルーツを問われたり、名前から朝鮮系だと認識された上で日本語を話すと驚かれたりすることが多く、在日朝鮮人は常に「自分が何者であるのか」を説明することを求められてきました。さらに、何か問題が起これば、朝鮮ルーツに対する偏見の目が向けられ、「国に帰ればいいのに」といった言葉を投げかけられることもあるそうです。このような日々の困難の中でも、自らの民族的ルーツを大切にし、国籍を変えたくないと考える人が多いのは、それが個人のアイデンティティの大きな部分を占めているからだと思います。「国に帰ればいいのに」という言葉は、マジョリティである日本人が軽々しく口にすべきではないのは当然です。一方で話を聞くうちに、自分自身も無知ゆえに結果的に説明を求めるような発言をしてしまう可能性があると感じ、自戒として深く心に刻みました。マジョリティ側の人間が学び、当事者の説明する負担を減らしていくことは最低限の責任だと痛感しました。

差別的な社会の中で、在日朝鮮人が築いたコリアンコミュニティは大きな意味を持っていました。しかし、民族性の継承を重視するあまり、儒教的価値観や家父長制が温存され、女性蔑視の風習が「伝統」として残されていた側面もあったといいます。コリアンコミュニティという閉ざされた環境の中で生じる問題である一方、日本社会には根強い朝鮮人差別が存在し、外部に相談することも難しい。このような女性差別と朝鮮人差別という二重の困難が、在日朝鮮人女性の前に立ちはだかっていることを強く感じました。

在日朝鮮人のトランスジェンダーの方が韓国で戸籍上の性別を変更するまでの相談事例も紹介されましたが、ここでもまた、差別の狭間に置かれてるようでした。コリアンコミュニティの中では奇異の目を向けられ、コミュニティの外では朝鮮人であるがゆえの差別を受け、どこにも自分の居場所がないという苦しみを抱えていたといいます。最終的に性別の変更までたどり着けて良かったと思うと同時に、今回は適切な相談先が見つかったからこそ解決できたものの、同じ境遇の仲間を見つけることが難しい社会状況の中で、相談できずに苦しみ続けた当事者も多くいたのではないかと考えさせられました。

最後に、在日朝鮮人だけでなく、朝鮮以外の国から来た外国人についての話もありました。外国人であるがゆえに相談先を見つけづらいDVの問題や、出自を否定されることの苦しみなどがあり、在日朝鮮人が受けてきた差別と重なる部分が多いとのことでした。これまで積み重なってきた差別の歴史を踏まえ、今なお残る在日朝鮮人差別や、新しく来た外国人への差別についても考え続けていく必要があると強く感じました。

大変貴重なお話をありがとうございました。

ふぇみ・ゼミ受講生 N.K

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