日本の地獄を出れば変わるのか? 〜国連・グローバル企業・海外移住〜【インターナショナル・ウィメンズデー特別企画】
申し込み
- お申し込みの締め切りは【3月31日(月)23:55】です。
- お申込み時点でイベントがすでに終了している場合は、後から配信でご覧ください。
- zoomでのリアルタイム参加を希望される方は開始時間の1時間前までにはお申込みください。それ以降の直前のお申込みには対応できないことがあります(その場合、後から配信でご覧ください)。
以下のPeatixサイトからお申し込みください。
https://internationalwomensday2025.peatix.com/
※2024年度ふぇみ・ゼミU30ゼミ生、2024年度ふぇみ・ゼミ寄付者(5,000円以上)は無料でご参加いただけます。寄付者の方にはパスポート以外にも様々な特典がございます。これを機にご寄付/パスポートのご利用をご検討ください。
※UDトーク(校正者あり)による日本語リアルタイム字幕が付きます。
※リアルタイム・後日の録画配信を行います
※全てのお問い合わせには、スタッフの勤務体制の関係上、返信まで数日いただくことがございます。femizemi2017@gmail.comまでご連絡ください。
◾️イベント概要
日本にいると苦しい! 日本はやばい! じゃあ、日本を出たどこかに希望があるのでしょうか? インターナショナル・ウィメンズデーが象徴する国際社会は差別の地獄に住む私たちにとても魅力的に映ります。
でも、日本を出れば解放されるのでしょうか? むしろ、別の支配に絡め取られるだけなのでは?
例えば、国連。国連の勧告は日本政府への圧力になると信じる人もいますが、実際には、そうなった例はほとんどありません。そもそも、国連は、植民地主義と男性中心主義に根ざした不平等な支配を正当化してきた組織です。その国連が定めるグローバル・スタンダードは、誰の利益を守っているのでしょうか? また、政府がこうした基準を利用し、国際社会向けに「改革」をアピールすることはあります。しかし、それは国家が社会運動を都合よくコントロールし、社会変革を封じる仕組みにもなっています。
例えば、古い体質の日本企業は嫌だ! と、グローバル企業に職を求めれば? 管理職の「女性」比率は多少上がるかもしれません。だけど、重役室に女性が入ればそれで「平等」でしょうか? レインボープライドに企業ブースが出たら、人権を保障しているわけでもありません。トランプ政権下で一斉にDEI(多様性・公平性・包括)から企業が撤退、後退するのを見てショックを受けたという声も聞こえますが、多国籍企業が世界で行ってきた収奪や人権侵害が、アメリカでだけは行われないと思うのは、おかしなことです。
肝心なのは、人権を守らなければビジネスがしづらい環境を作ること。そしてビジネスの利潤追求が生み出す問題や矛盾は、富の中心、企業の中心にいては見えづらいものです。グローバル企業の中枢にリーン・インするのはフェミニズムでしょうか?
例えば、海外に生活拠点を移動させること。差別を問題だと考え、マイノリティの人権状況を改善すべきと考えれば考えるほど、日本で学べることは少ないからよりましだと思った人権先進国へ留学やワーキングホリデーを選択しがち。さらに日本で生活すればその問題に向き合わなくてはならない、改善するには手立てがなく途方も無いために、よりましだと思った人権先進国へ勤務・移住。また周囲も「日本にいないで海外へ」と無責任な後押しも。もちろん日本・日本語圏内だけにとどまり価値観の硬直化は危険ですが、さりとて「海外に生活拠点を移動させる」ことで地獄から解放され、問題は解決するのでしょうか?
何よりも「海外に生活拠点を移動する」(特に留学や日本外勤務)という選択肢は、文化的、経済的、身体的、地位・身分などが「安定」した、いわば特権がある人たちに与えられた生き方とも言えます。例えば貧困家庭出身の障害を持った朝鮮籍の在日朝鮮人が海外に生活拠点を移動することは並大抵のことではない。「ここではないどこかへ」行くだけでは何も解決しません。
本当に必要なのは、「ここではないどこか」ではなく、「あらゆる場所」から支配を問い直し、変革の力を生み出すこと。そのための道を、共有し合いましょう。
◾️ふぇみ・ゼミ&カフェについて
ふぇみ・ゼミ&カフェは、東京を拠点に、インターセクショナル・フェミニズムの運動を展開するNGOです。私たちは、階級、民族、被差別部落、障害、人種といった多様な視点を取り入れ、日本の帝国主義や天皇制に反対する立場から、インターセクショナル・フェミニズムを実践することを目指しています。
また、若い世代が主体的に社会課題に取り組む力を培うための学びとトレーニングの場を提供しています。教育、研究、調査、芸術文化、出版、イベント開催などの幅広いアプローチを通じて、フェミニズムをより多くの人々に広めるとともに、差別のない社会を実現するため、新たなアクティビストを育成しています。
■開催方法/各回詳細/講師プロフィール
日時:2025年3月8日(土)
時間:20:00~22:00
開催方法:Zoomを使用したオンライン開催
・zoomURLは、講座当日のイベント開始1時間前を目安にお送りいたします。
※イベント終了後も録画をお申込みいただけます。
一般 1,950円
学生 1,650円(要学校名)
2024年度ふぇみ・ゼミU30ゼミ生、2024年度ふぇみ・ゼミ寄付者(5,000円以上) 無料
■登壇者プロフィール
熱田敬子(あつた・けいこ)
熱田敬子(あつた・けいこ):
東京下町育ち。フェミニスト、アクティヴィスト。ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、北京語翻訳通訳、ジェンダーや社会学の大学講師。研究テーマは人工妊娠中絶の体験談の聞き取り、日本軍戦時性暴力支援運動など。共著に『ハッシュタグだけじゃ始まらない:東アジアのフェミニズム・ムーブメント』(編著者:熱田敬子、金美珍、梁・永山聡子、張瑋容、曹曉彤、大月書店、2022)など。
飯野由里子(いいの・ゆりこ)
ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター教員。一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員。専門はフェミニズム・ディスアビリティ研究。主な著書に『合理的配慮:対話を開く対話が拓く』(共著、有斐閣、2016年)、『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』(共著、生活書院、2022年)など。
梁・永山聡子(やん/ながやま・さとこ)
ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、成城大学グローカル研究センター研究機構客員研究員。在日朝鮮人3世。社会学、ジェンダー研究、朝鮮半島のジェンダー秩序とフェミニズム。研究課題は、ポストコロニアル社会における植民地主義残滓のフェミニズムの権力関係。日本軍の性暴力問題に関する活動・調査研究。希望のたね基金で日韓若者交流事業に従事(2017年から2021年)、韓国・女性家族部・日本軍慰安所研究所委託研究(2021年度)。1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動・事務局を担当。在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会、アジア女性資料センター他で活動。韓国の社会学者キム・ジヘの『差別はたいてい悪意のない人がする』(編集協力)『家族、この不条理な脚本』(解説)を担当。
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