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■講座概要
本講座「日本軍の性暴力 vol.2」では、台湾、シンガポール、中国湖南省、ドイツで調査を続ける研究者をゲストに迎え、それぞれの地域における被害の実態と、運動・研究の最近の動向を紹介します。
シリーズ1では、「慰安婦」という言葉を使うことの問題点や、当事者がこの世を去りつつある今、歴史に向き合う上で押さえておくべき基礎的な知識や視点を紹介しました(録画視聴申込URL:https://square.link/u/E0gBmOFM)。
日本軍による性暴力はアジア太平洋全域で行われました。1990年代以降、被害者の名乗り出を契機に、日本でも加害国としての責任を問う運動が盛んになりましたが、地域ごとに歴史的理解や運動のつながりには断絶が残されています。シンガポールや湖南省のように日本で見過ごされがちな地域もあれば、台湾のように支援運動が活発で日本との連携が続いてきた地域でも、社会変化を踏まえた新たな理解が必要です。
日本軍の性暴力は組織的でありつつ、極めてバラエティに富んだ加害の形態がありました。被害者たちが被害を生きのびた後にたどった歴史も様々です。それぞれの国・地域の具体的な状況を踏まえずに性暴力だけに注目して普遍化するのは、決して日本軍性暴力の解決を目指す道ではありません。
日本敗戦後80年がたっても、日本政府の謝罪・賠償と、被害者の名誉回復・正義を勝ち取るにはまだまだ遠い道を行かなければなりません。シリーズ2では、こうした背景をふまえ、被害当時および敗戦後の歴史・社会状況に即して、各地の証言や最新研究の成果をとりあげます。
■日程・講師・各回テーマ
※すべての回で、日本語逐語通訳・日本語リアルタイム字幕・録画配信あり
※時間はすべて19:00~21:30
第1回 10月24日(金) 講師:康淑華さん(KANG Shuhua)
ウォーキング・アウト・オブ・シャドウズ―台湾籍「慰安婦」サバイバーの世代間関係と台湾社会における「慰安婦」言説

〈講座概要〉
台湾「慰安婦」サバイバーの性的トラウマは、彼女たちが人生で味わう複合的な差別とどのように交差し、その家族内の世代間関係に影響を与えているのだろうか。また、個人は歴史の奔流の中でどのように生きるレジリエンスを発揮するのだろうか。これらの問いに答えつつ、講師は台湾「慰安婦」たちの運動に参加した経験から、台湾社会における「慰安婦」公共言説がどのような文脈の中に置かれているかについて紹介する。また最後に、「慰安婦」人権運動の中で学んだ領域を超えたコラボレーションと、社会イノベーションの経験を生かして、講師が始めた団体「スイングリーズ(蘆葦女力)」が、経済循環と女性のエンパワメントをどのように展開しているかを紹介する。
〈プロフィール〉
戦時性暴力サバイバーとその世代間のトラウマ及びそのレジリエンスについて研究しつつ、アートと運動/研究の手法を用いて、社会的なマイノリティが声をあげることに取り組んでいる。私は台湾でソーシャルワーカーとして20年働き、高齢者、女性、児童、問題を抱えた家族の支援をするとともに、非営利団体のマネジメントと展開にも取り組んできた。また、台湾籍「慰安婦」の国際人権運動に力を入れ、「慰安婦」記念館を設立するために尽力した。2018年から2023年、台湾政府公費留学生の奨学金を受け、カナダでソーシャルワークの博士号を取得し、実務家から研究者となった。現在は様々なバックグラウンドを持った人たちとともに、台湾で循環経済と中高年女性の社会参加に取り組んでいる。台北大学ソーシャルワーク学部で教師を務め、ソーシャルワークの実務と研究を融合することに、ささやかながら貢献したいと考えている。
第2回 11月7日(金) 講師:ケヴィン・ブラックバーンさん(Kevin Blackburn)
シンガポールにおける慰安婦の発見

〈講座概要〉
シンガポールは、日本軍により「慰安婦」として性的奴隷にされた多くの場所の一つとして挙げられてきました。しかし、第二次世界大戦中に日本軍が性的奴隷にした女性のリストには、シンガポール人女性は目立って記載されておらず、韓国人や日本人女性のほか、中国や台湾出身の女性が含まれています。東南アジアでは、インドネシア、フィリピン、そしてシンガポールの隣国であるマレーシア出身の女性がよく言及されますが、シンガポール人女性はいません。なぜシンガポールの地元慰安婦たちは歴史から「消えて」しまったのでしょうか? この講義では、シンガポールの地元慰安婦がなぜ「姿を消し」、名乗り出て正義と補償を求めなかったのか、彼女たちが沈黙を守り続けた理由を探ります。
〈プロフィール〉
南洋理工大学国立教育学院(シンガポール)教員。専門は歴史学。第二次世界大戦中の東南アジアにおける日本占領や、紛争の追悼と記憶について幅広く執筆。最新の著書は『The Comfort Women of Singapore in History and Memory』(シンガポール国立大学出版局、2022年)
第3回 12月12日(金) 講師:張如意さん(ZHANG Ruyi)
おばあちゃんたちの細い手を取って―中国湖南省「慰安婦」サバイバーのライフストーリー

〈講座概要〉
日本の中国侵略戦争中、日本は占領地区において現地の女性たちを軍事性奴隷にした。1945年に戦争が終結して以後も、性奴隷化を経験したサバイバーたちは一生忘れることのできないトラウマを負った。中国湖南省では、26人のサバイバーが名乗り出て、そのライフストーリーを語った。軍事性奴隷制度がもたらした苦難及び身体と尊厳が被った侵害は、トラウマのあまり生きることも難しくなるほどだったが、老いて病を得ても、生きるために働かなければならなかった。現在、湖南で生存するサバイバーは6名のみで、平均年齢は96歳を超えている。歴史的事実の認定のためにも、また個人の尊厳回復のためにも、彼女たちはいまだに遅すぎる正義を待ち望んでいる
〈プロフィール〉
上海師範大学中国「慰安婦」歴史博物館副館長。2018年から上海師範大学で中国「慰安婦」問題の研究に参加、中国湖南省の「慰安婦」問題研究に長期的に取り組み、湖南省の「慰安婦」制度被害者に心を寄せている。
第4回 2026年1月12日(月) 講師:レギーナ・ミュールホイザーさん(Regina Mühlhäuser)
ナチス・ドイツの国防軍やSS兵士による性的暴力と搾取―「慰安婦」の事例とどう比較できるか?

〈講座概要〉
Coming Soon
〈プロフィール〉
ハンブルク学術文化振興財団上級研究員。国際研究グループ「武力紛争における性的暴力」(www.warandgender.net)共同創設者。1990年代、学生の時に韓国を訪れ「慰安婦」運動を支援。この経験が、ドイツ兵による性的暴力の研究を始めるきっかけとなった。
■開催方法
完全オンライン開催(Zoom)
■チケット代
〈一回券〉
・一般 1,980円(税込)
・2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生 1,650円(税込)
・2025年度ふぇみ・ゼミU30受講生 1,100円(税込)
〈全4回通し券〉
・一般 7,600円(税込)
・2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生 6,500円(税込)
*寄付者の方にはパスポート以外にも様々な特典がございます。これを機にご寄付/パスポートのご利用をご検討ください(詳細)
講座のお申込みはこちらから
■お申込み締め切り
・zoomでのリアルタイム参加を希望される方は開始時間の1時間前までにお申込みください。それ以降の直前のお申込みには対応できないことがあります(その場合、後から配信でご覧ください)。
・お申込み時点ですでに終了している回につきましては、後から配信(録画)でご覧ください。
・全4回の終了後も、Peatixから別サイトに移動の上、録画販売として2025年度中はお申込みいただけます。
■受講ルールについて
・zoomのURLは開始1時間前をめどにお申込のメールアドレス宛にお送りいたします。
・zoomで参加する際、表示名は必ずお申込み時にご登録いただいた名前でご参加ください。本人確認ができない場合、入室許可ができませんのでご協力をお願いいたします。
・(原則として)可能な方はzoomでのカメラオンをお願いしております。
・配布資料や後から配信の無断転載は厳禁です。参加者の方で画面のキャプチャー、録画・録音もご遠慮ください。
・お友達、同居の方などと一緒にご覧になる際も、お1人1枚のチケットをご購入いただくようお願いします。
・Zoomのサポートはいたしません。ご自身で各サイトなどをご覧ください。
・ふぇみ・ゼミは学びの場です。事前の連絡なく、調査研究・取材を主目的として参加することは禁止です。これらの目的で参加を希望される方は、事前にふぇみ・ゼミのメールアドレス(femizemi2017@gmail.com)までご連絡ください。
■録画配信について・資料共有について
<録画配信>
・すべての回で録画配信を行います。
・講座の中でグループディスカッション等があった場合、その部分は録画には含まれません。ご了承ください。
・後から配信(録画配信)の無断転載は厳禁です。
・公開保証期間は4回分とも最終回の録画をお送りしてから2週間です。
<配布資料>
・無断転載は厳禁です。
・講師の意向にもより必ず資料を提供するとは限りませんが、基本はクラウドドライブのURLを共有します。
・会場に参加される方への資料印刷は、環境問題を考えて原則は致しません。必要な方は、可能な限りご自身で印刷または資料を見られるデバイスをお持ちください。なお、資料印刷が必要な方は事前にfemizemi2017@gmail.comにメールをいただければ対応しますが、直前の対応は必ずしもできませんので、ご了承ください。
■ふぇみ・ゼミパスポートについて
・本講座はふぇみ・ゼミパスポートの対象です。
※ふぇみ・ゼミU30参加者年間パスポート(一般20代以下¥37,000,学生¥22,000)、寄付者パスポート(5万円以上寄付)をお持ちの方は無料でご参加いただけます。寄付者の方にはパスポート以外にも様々な特典がございます。これを機にご寄付/パスポートのご利用をご検討ください。
■リアルタイム日本語字幕(UDトーク/校正あり)について
・ふぇみ・ゼミ&カフェでは、すべての講座で校正者付きのUDトークを用いたリアルタイム日本語字幕を提供しております。