
お申込み
講座のお申込みはこちらから https://fashion-femi.peatix.com/view
■講座概要
私たちは、ファッションや身なり、そして身体そのものを通して、自分を表現し、社会と深く関わっています。しかし、こうした身体表現は、自分らしさを探求するだけにとどまらず、社会の規範や不平等を映し出し、差別や抑圧を無自覚に再生産している側面があります。
例えば、美容整形や化粧、そして脱毛といった行為は、個人の「美」の追求であると同時に、ルッキズムや資本主義といった社会的な力と結びつき、身体に特定の規範を生み出す仕組みでもあります。また、美的労働を通じて、外見が労働の評価対象となる現代社会の不平等が浮かび上がります。さらに、入れ墨や民族衣装は、文化実践であると同時に、差別の歴史や抑圧の記憶を含んでもいます。そして、私たちが身につける衣服の背後には、グローバルな貧困と搾取の現実が隠されています。
この講座の目的は、単に知識を得るだけではありません。ファッションや身体に関する様々な研究と実践を通して、身体、経済、ジェンダー、民族、階級、障害がどのように絡み合い、この社会の不平等な構造を作っているのかを探ります。この講座で得た学びを、自分自身の装いや身体の実践に引きつけて考えることで、不平等や差別をなくしていくための、具体的な一歩をそれぞれが見つけていくことを目指します。
■日程・講師・各回テーマ
※すべての回で、日本語リアルタイム字幕・録画配信あり
第1回 11月16日(日)18:00~20:00 ハイブリッド開催
講師:河野夏生さん(奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センター)
テーマ:脱毛プロパガンダ~表象から読み解く日本の脱毛文化~

〈講座概要〉
体毛の在り方は、時代、地域、文化によって異なり、民族や階級、ジェンダーなどを示す記号としても認識されてきました。日本においては、頭髪、眉毛、まつ毛を除く女性の体毛を「ムダ毛」と名指し、それを除去する行為が推奨され、多くの女性たちが主体的に取り組んできました。2010年以降、エステ脱毛・医療脱毛の普及に伴って、脱毛広告を日常的に目にするようになりましたが、1920年代の婦人雑誌にも脱毛広告は掲載されていました。脱毛広告を中心に、日本の近代から現代までの体毛・脱毛をめぐるイメージと言説を通史的に読み解きながら、一様に私たちを巻き込もうとする日本の脱毛文化について一緒に考えてみませんか。
〈プロフィール〉
卒業論文から日本の脱毛文化をテーマに研究に取り組み、2024年度に博士号を取得。体毛をめぐる問題を糸口に不可視化されたルッキズムの構造を明らかにすることを研究課題として、現代まで蓄積されてきたイメージや言説の表象分析に取り組んでいる。現在は、奈良女子大学アジア・ジェンダー文化学研究センターで特任助教を務めている。
第2回 11月29日(土)19:00~21:00 ハイブリッド開催
講師:ほんまなほさん(大阪大学COデザインセンター教授、パフォーマー)
テーマ:ボールルーム・カルチャーとファッション:大阪・釜ヶ崎での実験から

〈講座概要〉
カマボールは、2021、23年に大阪・釜ヶ崎にて開催された「なりたいじぶんになる」をテーマとするイベントであり、1980年代にNYで花開いたクィア・オブ・カラーによるボールルーム・カルチャーの精神にならいつつ、いま釜ヶ崎という地でなにができるかを現地の人々と考え、性別や性的指向を問わず、異性装に限らない、それぞれのなりたい姿を参加者が追求しました。アイデンティティの政治とは異なる、生をささえあう知恵としての表現活動とファッションについて考えます。
〈プロフィール〉
国内外のジャワガムランによる伝統音楽と新作公演に出演。現在は、民衆のうたや詩などの共同創作、音楽・舞踊・即興表現をおこなう。また、大阪大学にて、さまざまなひとびとがつながるための新しい大学・大学院教育のカリキュラムづくり、臨床哲学、対話、こどもの哲学、フェミニズム哲学、マイノリティ・スタディーズ、身体・音楽表現などの教育研究にとりくむ。著書『哲学カフェのつくりかた』『こどものてつがく』(共編著)ほか、アートミーツケア叢書を監修。
第3回 12月14日(日)19:00~21:00 完全オンライン開催
講師:谷本奈穂さん(関西大学総合情報学部)
テーマ:美容整形の動機に見るジェンダー

〈講座概要〉
現代の日本では、美容整形への希望者は増え、実践者も増えています。私は、2003年から現在にいたるまで、美容整形に関するアンケート調査(8回、計1万3750名)と、医師・クライアントへのインタビュー(61名)を継続的に行ってきました。その内容を一部ですが(全部はとても無理なので)お話しようと考えています。今回は、これまでの美容整形に対する誤解、美容整形への動機を中心に、ジェンダー差についてみていきます。美容整形の是非ではなく、美容整形という現象を通して見えてくる社会の断面を、皆さんと一緒に考えていければ幸いです。
〈プロフィール〉
大阪大学人間科学部卒業。同大学院修士・博士課程修了。博士(人間科学)。現在、関西大学総合情報学部教授。単著に『恋愛の社会学』(2008、青弓社)、『美容整形と化粧の社会学』(2008、新曜社)、『美容整形というコミュニケーション』(2018、花伝社)、共編著に『博覧の世紀』(福間良明・難波功士、2009、梓出版社)、『メディア文化を社会学する』(高井昌吏、2009、世界思想社)、『身体化するメディア/メディア化する身体』(西山哲郎、2018、風塵社)、『きれいはいまもゆれている』(飯塚理恵、2025、晃洋書房)。
〈講座概要〉
第4回 2026年1月10日(土)18:00~20:00 ハイブリッド開催
講師:西倉実季さん(東京理科大学教養教育研究院)
テーマ:美的労働(aesthetic labour)から見る職場のルッキズム

現代社会の接客サービス労働において、企業やその商品のイメージを外見で表現して顧客にアピールする「美的労働(aesthetic labour)」が出現しています。この講義では、美的労働を通じて従業員に求められる外見とジェンダーや社会階層との関係、美的労働が重視される社会におけるルッキズム(外見にもとづく差別)の問題、外見管理「能力」が評価される労働社会に生きることの困難などについて考えます。
〈プロフィール〉
東京理科大学教養教育研究院教員。専門は社会学、障害学、ジェンダー研究。おもな著書・論文に、『ルッキズムってなんだろう?―みんなで考える外見のこと』(平凡社、2025年)、「ルッキズムと外見の序列化―美的労働(aesthetic labour)に着目して」(『法社会学』90号、2024年)など。
第5回 2026年1月24日(土)18:00~20:00 ハイブリッド開催
講師:石田依子さん(宮城学院女子大学 教授)
テーマ:刻まれる沈黙――『海の沈黙』における海・身体・制度の交錯

〈講座概要〉
映画『海の沈黙』(原作・脚本:倉本聰、主演:本木雅弘)は、芸術と記憶、制度と逸脱、そして語られぬものたちの静かな交錯を描いた作品である。本講演では、主人公・津山竜次の沈黙、海という空間、そして人、「刺青」という人間の身体に痕跡を刻むという行為に表象されたジェンダー規範とその攪乱を読み解く。また、刺青や化粧(あるいは化粧をしないこと)を「身体装飾」という視点から捉え、視線や制度との関係に簡単に触れつつ、海に関連する世界(船員など)における「語る身体」の政治性についても考察します。
〈プロフィール〉
奈良女子大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)(広島女学院大学にて、論文博士で取得)。大島商船高等専門学校 教授・副校長を経て、現在、宮城学院女子大学 教授、MGUジェンダー教育研究センター長。専門は、ジェンダー表象論。単著に Modern and Postmodern Narratives of Race, Gender, and Identity: The Descendants of Thomas Jefferson and Sally Hemings (Peter Lang Pub.)、Women at Sea beyond Gender Politics: Feminist Analysis on Femininity, Masculinity, and Sexuality in Bodies of Seafaring Women in Historical Discourses (Lambert Academic Publishing)などがある。
第6回 2026年2月14日(土)18:00~20:00 ハイブリッド開催
講師:梁・永山聡子さん(ふぇみ・ゼミ&カフェ運営委員、成城大学グローカル研究センター)
テーマ:誰が着てもよいのか?ーチマ・チョゴリの政治社会学

〈講座概要〉
2025年9月1日、関東大震災で犠牲となった朝鮮人を追悼する式典で、ある女性ジャーナリスト/市民運動家が、自身のSNS上でチマ・チョゴリを着て、큰절(膝をついて行う朝鮮の最も丁寧なお辞儀)をすることを表明した。
この投稿の後、「日本人女性がチマ・チョゴリを着ること」に対して賛否両論の意見が広がり、その議論はしばらく続いた。
では、なぜこのような賛否が起きたのだろうか。
チマ・チョゴリは単なる「朝鮮の民族衣装」という枠にとどまらず、朝鮮半島と日本の歴史的関係の中で特別な意味を持っている。
それは時に民族差別の対象となり、時にセクシュアリティの象徴として扱われ、また時に「かわいい」の象徴として消費されてきた。
一方で、南北朝鮮、在日朝鮮人、そして他の在外朝鮮人たちは、それぞれの地域で「ジェンダー化された象徴」としてのチマ・チョゴリと向き合いながら、新しい民族衣装のあり方を模索してきた。その多様で豊かな展開を、できる限り紹介していきたい。
〈プロフィール〉
「右手に資本論、左手にCanCam」をモットーに生きてきた。その背景には、出版関係の両親、洋服・鞄の加工工場を経営している親戚が複数いたことにより「装い」が身近にあったことから、常に関心事の1つ。進学前には某アパレルメーカーで働き有名ファッションビルで販売員もしていた。
社会学・ジェンダー・フェミニズム研究、社会運動論、朝鮮半島の歴史と社会運動
研究課題:ポストコロニアル社会における植民地主義残滓のフェミニズム(旧宗主国と被植民地国におけるフェミニズムの権力関係)
在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会、1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動・事務局他で活動。在日朝鮮人3世である。
■開催方法
・Zoomと東京・赤羽会場を併用するハイブリッド開催(録画配信有)
・第3回のみ完全オンライン開催
会場:一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ事務所(東京・赤羽)
住所:東京都北区赤羽南2-4-7 鷹匠ハイツ403
アクセス:JR赤羽駅南口から徒歩10分程度
地図:https://femizemi.org/map/
バリアフリー情報:https://femizemi.org/barrierfree/
■チケット代
▽一回券
・一般 1,980円(税込)
・2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生 1,650円(税込)
・2025年度ふぇみ・ゼミU30受講生 1,100円(税込)
▽全6回通し券
・一般 11,300円(税込)
・2025年度寄付者〈10,000円以上〉・学生 9,500円(税込)
*寄付者の方にはパスポート以外にもさまざまな特典がございます。これを機にご寄付/パスポートのご利用をご検討ください(詳細)
講座のお申込みはこちらから https://fashion-femi.peatix.com/view
■お申込み締め切り
・Zoomでのリアルタイム参加を希望される方は開始時間の1時間前までにお申込みください。それ以降の直前のお申込みには対応できないことがあります(その場合、後から配信でご覧ください)。
・お申込み時点ですでに終了している回につきましては、後から配信(録画)でご覧ください。
・全6回の終了後も、Peatixから別サイトに移動の上、録画販売として2025年度中はお申込みいただけます。
■受講ルールについて
・ZoomのURLは開始1時間前をめどにお申込のメールアドレス宛にお送りいたします。
・Zoomで参加する際、表示名は必ずお申込み時にご登録いただいた名前でご参加ください。本人確認ができない場合、入室許可ができませんのでご協力をお願いいたします。
・(原則として)可能な方はZoomでのカメラオンをお願いしております。
・配布資料や後から配信の無断転載は厳禁です。参加者の方で画面のキャプチャー、録画・録音もご遠慮ください。
・お友達、同居の方などと一緒にご覧になる際も、お1人1枚のチケットをご購入いただくようお願いします。
・Zoomのサポートはいたしません。ご自身で各サイトなどをご覧ください。
・ふぇみ・ゼミは学びの場です。事前の連絡なく、調査研究・取材を主目的として参加することは禁止です。これらの目的で参加を希望される方は、事前にふぇみ・ゼミのメールアドレス(femizemi2017@gmail.com)までご連絡ください。
■録画配信について・資料共有について
<録画配信>
・すべての回で録画配信を行います。
・講座の中でグループディスカッション等があった場合、その部分は録画には含まれません。ご了承ください。
・後から配信(録画配信)の無断転載は厳禁です。
・公開保証期間は6回分とも最終回の録画をお送りしてから2週間です。
<配布資料>
・無断転載は厳禁です。
・講師の意向にもより必ず資料を提供するとは限りませんが、基本はクラウドドライブのURLを共有します。
・会場に参加される方への資料印刷は、環境問題を考えて原則は致しません。必要な方は、可能な限りご自身で印刷または資料を見られるデバイスをお持ちください。なお、資料印刷が必要な方は事前にfemizemi2017@gmail.comにメールをいただければ対応しますが、直前の対応は必ずしもできませんので、ご了承ください。
■ふぇみ・ゼミパスポートについて
・本講座はふぇみ・ゼミパスポートの対象です。
※ふぇみ・ゼミU30参加者年間パスポート(一般20代以下¥37,000、学生¥22,000)、寄付者パスポート(5万円以上寄付)をお持ちの方は無料でご参加いただけます。寄付者の方にはパスポート以外にも様々な特典がございます。これを機にご寄付/パスポートのご利用をご検討ください。
■リアルタイム日本語字幕(UDトーク/校正あり)について
・ふぇみ・ゼミ&カフェでは、すべての講座で校正者付きのUDトークを用いたリアルタイム日本語字幕を提供しております。
主催: 一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ
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<寄付・その他 ふぇみ・ゼミ口座>
①PayPay銀行
支店名:ビジネス営業部
店番号005
預金種目 普通預金
口座番号 6295892
口座名義(漢字)一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ
口座名義(カナ)シャ)フェミゼミアンドカフェ
②三井住友銀行
支店名:赤羽支店
店番号226
預金種目 普通口座
口座番号 5864455
口座名義 一般社団法人 ふぇみ・ゼミ&カフェ
口座名義(カナ)シャ)フェミゼミアンドカフェ
<お問い合わせ>
ふぇみ・ゼミ&カフェ事務所
住所:〒115-0044 東京都北区赤羽南2丁目4−7 鷹匠ハイツ403
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