ふぇみ・ゼミ&カフェは東京に事務所を置く、インターセクショナル・フェミニズム運動のNGOです。主としてインターセクショナル・フェミニズムをテーマとしたアートや演劇、映画やカフェイベントを企画・開催するゆる・ふぇみカフェ(2014年設立)と、講座・研究・調査・出版・アドボカシー活動を担うふぇみ・ゼミ(2017年設立)の二つの団体が共同で、現在のふぇみ・ゼミ&カフェを立ちあげました。2022年に一般社団法人として登記しています。2026年には米国NGOsourceより米国の公益団体と同等の運営を行っている「同等性判定(ED)認証」を取得しています。(本認証は、団体の非営利性・財務の透明性・財源とガバナンスの独立性・活動の公益性が、国際的な基準に照らして適切であることを、独立した第三者機関が確認したものです。)

→【ご報告】米国NGOsourceより「同等性判定(ED)認証」を取得しました

 ふぇみ・ゼミ&カフェのミッション

1.フェミニズムをインターセクショナルな視点で変革する

 私たちは、一部の恵まれた女性が「勝ち組」に加わるための運動をフェミニズムとは呼びません。多くの人は、フェミニズムを「女性の参政権獲得から始まり、雇用機会の拡大など女性の『社会進出』を後押しし、家事分担などの日常の不利益を問い直すもの」と捉えています。しかし、「男=強い・持てる側/女=弱い・持たない側」という単純な見方では、専業主婦になる余裕すらなく、過酷な労働を担ってきた被差別部落の女性たちや、在日朝鮮人の女性たちの現実を見落とすことになります。ある女性たちが今の仕組みの中でえらくなっても、それがより苦しい立場に追いやられた人たちの犠牲の上に成り立っているのなら、差別は形を変えて続いているだけです。私たちは、そうした仕組みを問い直し、社会を変革するフェミニズムを実践します。

2.これまでのフェミニズムの限界を打ち破る

 私たちは、法秩序を絶対のものとは考えません。法律に認めてもらうことを「解放」と取り違えず、間違っている法は変え、変えるだけでなく、壊すべき制度は壊します。大切なのは、「女性」や「マイノリティ」が既存の法や制度に包摂されることをゴールにするのではなく、その法や制度自体が何を前提にし、誰を排除しているのかを問い直すことです。私たちは、既存の仕組みに参加できる人を増やすことは差別解消ではありません。差別や格差を生み出す仕組みそのものを根本から問い、新しい社会を構想し続けます。

3. フェミニズムを大学の囲い込みから取り戻す

 かつて、フェミニズムの学びや活動は大学の外で、自主的な勉強会として始まりました。しかし、その後ジェンダー研究が制度化され、フェミニストたちが教員のポストを得ていく中で、フェミニズムの学びは権威づけされ、大学の制度に取り込まれていきました。
 しかしこの数十年間、学問や学生の自治は破壊され、大学は常勤教員/職員と非常勤教員/職員、学生の間の身分制を前提とした完全な階級制度の場になっています。そして、「配慮」を大学に求める学生を、大学が「守る」という非対称な関係性の中で、人権や多様性は大学が提供する「サービス」となりました。いまや、大学は社会運動が可能な場ではありません。「女性」が学長になったとしても、大学が変わるわけではありません。
 ふぇみ・ゼミ&カフェは、フェミニズムの知は、運動の中で生まれる経験を社会変革への力へ変えるものだと考えます。運動と研究を切り離さず、フェミニズムを大学の囲いこみ、権威から解放しましょう。

4. フェミニズムの中にリーダーや「先生」を作らない

 私たちは、フェミニズムを専門家や研究者、政治家、著名人など、一部の人のものにはしません。有名なフェミニストの言葉をただ鵜呑みにして拡散したり、発言力のある人に救いを求めたりすることは、自分の頭で考えることを手放す姿勢につながります。女性の政治家や首相が誕生したとしても差別はなくなりません。現に、差別や分断を推し進める女性リーダーが存在します。「あの人が言うなら正しい」「詳しい人が正解を教えてくれる」と誰かに頼り切ってしまえば、その人が間違ったときに自分では気づけなくなります。私たちは、「正解」を提供する場ではなく、一人ひとりが自ら学び、自分の頭で考え、対等に議論し合える場を作ります。

5. 自立的で、持続可能な運動を作る

 私たちは、社会運動の無償労働と、参加無料や開催コストを度外視した低価格のイベントに反対します。
 フェミニズムは家庭内の無償労働に反対してきました。「やりがい」や自己犠牲、無償ボランティアの献身に頼る運動も同じ構造です。そして、参加無料のイベントは、参加者のためを考えているようでいて、実際には慈善・チャリティとして参加者と主催者の間に非対称な関係を作ります。
 社会を変える運動は、一夜では育ちません。無料のイベントの否定は、社会運動が助成金や行政、企業の資金のみに頼らず、持続可能であるために必要なことです。無償労働に頼らず、関わる人に対価を払い、参加者の中に対等な関係を作り、多くの人が力を持ち寄って自立した運動を作らなければなりません。

6. 差別を否定し、あらゆるアプローチで新しい社会を自分で作る

 差別のない社会をつくるためには、社会の一部を変えるだけではなく、差別を生み出し、支えている社会の主流そのものを変えていく必要があります。そのために、私たちは既存の思想や運動の方法だけに自分たちを縛りません。資本主義を否定することも、法や制度を変えることも、それ自体が目的ではありません。教育、出版、文化、ビジネス、アドボカシー、直接行動など、必要な方法を組み合わせ、これまでにない手段も自分たちでつくり出します。誰かに社会を変えてもらうのではなく、一人で動く人、小さな団体、自分で考え判断し行動する人が増えていくこと。その積み重ねによって、差別のない新しい社会を自分たちの手でつくります。

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